・ビッチ製作委員会

※人として終わっているゲスな攻め(?)描写があります。
被害を受けているのは基本的に他人ですが攻めのゲス注意。


 俺の友人は恐ろしい。
 昔からどこか普通とは違うと思っていた。
 それでも、ちょっとチャラチャラしているイケメングループにいるだけの男だった。
 だが今はもうヤクザだ。
 本人はそのつもりはないのかもしれないが見た目はホスト実情はヤクザ。
 ダメなタイプの能力が大学生活で開花して裏道街道一直線。
 正直言って友人とすら言いたくない人間に変貌している。
 
 
 ものすごく下世話で具体的な表現をするなら友人はビッチ製作が得意だ。
 
 男好きの淫乱だとかを見つけ出すわけじゃない。
 清楚で純粋な子をビッチに落とす。
 きちんとした貞操観念を持ち、淑女の見本のような感性を破壊する。
 処女好きを公言し、年齢差など考慮せずに中学のころからお盛んだった友人は悪魔になった。
 人を堕落させることに快楽を見出したのだ。
 
 男性恐怖症とか男嫌いで有名な勝気系女子や地味な女子と付き合ったかと思うと早くて一週間、遅くとも半年でビッチになる。
 例外は存在しないとばかりに友人は狙った女子を乱交大好きビッチに変化させる。
 ベッドの上で部屋の電気を消してくれと頼んで震えていた少女が野外露出を好んだり複数の男と関係を積極的に持とうとする悪夢。
 
 自分の行動を友人は自慢してくる。
 悪いなんて思っていないらしい友人が怖い。
 二股どころか五股など余裕で行う友人はもしかしなくても現実をゲームだと勘違いしている。
 恋愛シミュレーションゲームなら同時攻略なんて言ってもいいかもしれないが、現実ではあっちゃいけない。
 外国の風習としての一夫多妻のハーレムではない。
 友人はゲームそのままな投げっぱなしな行動をとる。
 
 付き合った相手が肉欲に夢中になったところで仕上げのように他人に抱かせたり、抱いている場面を他人に見せつける。
 女性側が嫌がったり友人を嫌ったらゲームオーバー。
 だが、今のところ友人はゲームクリアばかりだ。
 つまり女性側は友人の提案を丸呑みする。
 友人以外に抱かれるのも友人以外の目があることも快感だ。
 清楚を絵に描いたような女の子の変貌具合に友人は興奮を覚えるらしい。
 わからなくもないが犯罪レベルに到達しているので全く笑えない。
 
 セックス依存症のような頭がおかしくなった淫乱を友人は捨てる。
 本人は捨てるというよりも彼女を攻略し終えたので興味がなくなったのだろう。
 ゲームを一度クリアしたら再びプレイすることはない。
 清楚さを完全に失った彼女たちに友人の下半身が反応することはない。
 
 そして突き詰めていった際に身持ちの堅い処女よりも平凡な異性愛者である男に友人のターゲットはシフトした。
 
 ゲイじゃない男は当然のことながら処女である。
 その上、恋愛対象を女だと思っているので友人のアプローチにもほぼ靡かない。
 歯ごたえのある相手を求めてノンケの男に手を出すのは最低すぎる。
 時々は普通の女の子を金持ちのおっさんのオモチャに仕立て上げながら、友人は中年のおっさんから高校生ぐらいまでの男を食いまくった。
 
 クズだとそんな言葉で片付けられない最悪の男だ。
 
 好きだと告げて相手を夢中にさせるまでは本当に一途で健気なイケメンだ。
 演技ではなく心の底から愛しているという顔をする。
 その癖、最終的に友人は恋人を引き返せない場所に陥れる。
 クスリもなければ脅しもない。
 ただ逃げられない性癖を植えつけてしまう。

 乳首に電気を流されないと絶頂しないとか。
 ビンタされたり腹を殴られないと興奮しないとか。
 撮影されながらじゃないと感じないとか。
 脱糞や失禁の匂いや衝撃を味わわないと禁断症状が出るとか。
 
 人としての尊厳を破壊されているので普通の生活には戻れない。
 
 友人はビフォーアフターがわかるようにいつも記録をつけている。
 その内容は一般に流通するセクシービデオなんてレベルは超越していた。
 本人はもともと好きでしている趣味ではあるが彼女たちの後始末は当たり前に必要になってくる。
 お金のためではなく清楚さの消えた元恋人のために引き取り手を募集した。
 マージンで儲けても次の恋人に投資するので本人は自分の行動を営利目的だと思っていないらしい。
 昔から知っている友人が異次元に旅立っている。
 
 
 問題は友人がターゲットにしていたタイプの人間が周囲にいなくなったことだ。
 女も男も友人が快楽に突き落としすぎた。
 
「たかと、好きだよ」
 
 大量の男女を自分の虜にした悪魔が俺に近づいてくる。
 手法は割れている。
 あの手この手でこちらを信用させて心の隙間に入り込んでくるはずだ。
 俺のことを好きだと言っている今の時点での気持ちはたぶん本物。
 
 だからこそ、恐ろしい。
 
 逃げられるわけがないと分かり切ってしまう。
 数々の悪逆非道を目の当たりにしてもまだ俺は友人と完全に縁を切っていない。
 それが全ての答えだと言える。


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ホストがホステスを作り上げたり、
ホステスよりも稼ぎがいいからって、
やばめなお店やAV出演を斡旋したりするっていうどこかで聞いた業界事情が前提です。
(ホスト通いするだけのお金があるのはホステスっていうか、
ホスト通いを続けるためにホストに仕事をもらう→風俗嬢になったり借金背負ってヤクザの愛人になったり)

そういう一般的な状況とは逆にお金ではなく女性を陥れることそのものを人生の楽しみにしている人間が主人公の友人。

彼は普通とは目的と手段が入れ替わっている異常者。
女への恨みがあったり人間不信だからこそ人を人とも思わないとかじゃないあたりがヤバイ。

時代が時代なら調教師としてお金持ちに大人気でしょうね。
(今も普通にそれをやっていけるかも?)
お金持ちの変態性癖にあわせて応相談で男女関係なく仕込みますという職人様。
とある組織で大活躍できる技能の人。

これだけだとラブ不足なので初期構想にするか悩みましたが続けるとシリアスに悪あがきギャグみたいなことになるので短編SS。


2016.12.20
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