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  039 これはアウトじゃないですか!?


 気が付くと俺は服装が変わっていた。
 寝起きの気だるさがある。
 
 全裸だった方がまだ納得がいく。
 黒いふわふわとした服装で切れ目が入っているのか股間と後ろは露出しているのを感じる。
 A兄さんがすごく真剣な顔で俺の尻をいじっている。
 指を出し入れして中を解している。
 
 ちょっと待っていただきたい。
 これから本番始まりますみたいな前ふりは控えてください。
 
 ぬちゃぬちゃ恥ずかしくなる音が俺の尻から出ている事実に目をつぶって冷静に考えようとして一瞬で放棄する。
 冷静になれるはずもない。
 目を閉じると身体の感覚に集中してしまう。
 
 起きたらA兄さんが俺の尻の穴に指を抜き差ししてましたって、その事実を受け止めたらエッチするのをOKするようなものだ。俺は断固として反対だ。
 こういうのは告白してからとかそういう段階を踏まないと!
 
 いやいや、それだと告白されたら受け入れちゃうみたいなことになるから違う。
 俺は純潔を捨てる気なんかない。
 まだまだ清らかでいたい。
 
「あっ、……あ、あぁ、ぁ、アっ」
 
 指の動きが抜き差しじゃなく探るようなものに変わると途端に俺は声を押えられなくなった。
 手を動かして口を閉じるのはもう遅い。
 
「ここが気持ちいいのか」
 
 俺に聞いているようでありながら独り言に近いA兄さんの言葉に思わずうなずく。
 気持ちいいけど、そこは素直になる場面じゃない。
 落ち着けと自分に言い聞かせても高まる射精感に抗えない。
 
 黒いふわふわもこもこした服から出ている勃起している俺のチンコ。
 この世界で俺は恥部を晒し過ぎ。堂々と見せつけるようにさらけ出してる。
 それってどうなんだ。
 慎み深い日本人である俺としては逃げ出したい。家に帰りたい。
 
「もうお婿に行けない」
「大丈夫だ、俺が貰ってやるから」
 
 そういうことじゃないと思ってるのにちょっとだけときめいてしまった。
 A兄さんは案外たらしの素質がある。
 
 もう、今から入れますみたいなスタンバイOKなA兄さんのチンコが俺の尻に向けられている。
 さすがに指入れられてチンコの裏側あたりを中から擦られて気持ちがよくて精液出さずにイッちゃった気がするけど覚悟はまだ決まってない。
 外で、木の前でのことを思えばもういいかもしれないという気分にもなるけど俺の心はまだ抗っている。
 最後の一線を越えるのを許したら終わりな気がする。
 
「泣かなくても大丈夫だ」
 
 頭を撫でられながらA兄さんの腰が俺の尻に近づいてくる。
 怖いとかじゃない。縛られてるわけじゃないから俺は逃げるべきなんだろうけど動けない。
 
「怖がることはしない」
 
 涙をA兄さんの指でぬぐわれた。
 大きな大人の手、でも怖くない。
 
 エッチなことをするのがすでに怖すぎるんだけどA兄さんのことは信頼している。
 俺をピンチに追いやっている人間の筈なのに助けてくれる相手だと感じているのは何でだ。
 体格のいいA兄さんが力づくで俺を押えこんでいるわけじゃない。
 
 どろどろに甘やかされて身体がふにゃふにゃして動かなくなっている。
 ズレていたり天然なところを感じてもA兄さんは悪い人じゃないのが分かるから邪険に出来ない。
 
「Bに飴を貰っただろう……あれは普通のモノではなかったらしい。感染はしていないが混乱が起きている。幸い、彗星は人格を失っていない。だが、このままでは――」
 
 よくわからないけど俺はBにハメられたらしい。
 目に見えてわかるマッドサイエンティスト。
 よく知らない俺のことなんかBからすればA兄さんから禁止されても実験対象だろう。

「死にはしないし……発狂はしない、だろうが……」
 
 言いにくそうなA兄さん。
 ズバッと言ってくれという気持ちと言わないで聞きたくないっていう気持ちが俺の中に同じだけある。
 
「滅茶苦茶セックスしたくなる」
 
 頭が痛い。頭痛が痛いと重複表現したくなるレベルで痛い痛い。
 エッチすれば解決みたいなのはダメだって。
 ペットとエッチなことするのは獣姦だから!!
 一度なら治療ってことでノーカウントだとか思ったけどメチャクチャってどの程度なんだよ。
 
「本来は女性に飲ませて円滑に孕ませるために相手を誤認させたり夢だと思わせたりといった用途でも使われる」
「え、い……にいさんっ」
「彗星はきちんと俺を俺だと認識している」
 
 涙を舐めとられて身体が震える。
 尻の穴がヒクつくこの感覚が欲しがってるとか受け入れたがっている状態なら確かに俺はメチャクチャエッチなことがしたくなってるかもしれない。
 指じゃ足りないと身体が言っている。
 
「Bが言っていたことは正しかったわけだ」
 
 頭が熱いのに何処かふわふわとした気分でつらいのに気持ちがいい。
 服なんかなくて裸で触れ合いたい。
 A兄さんは全裸だけど俺はもこもこしている。
 
「病原体でもベルトヤカの毒でも彗星は死なない……代わりに死ぬよりも苦しいことになるかもしれないな」
 
 今現在のことですかね!?
 
 いじられ続けた尻の穴に入れて欲しいのか欲しくないのかが分からなくなってくる。
 求めてるのが快楽なのか何なのか。
 
「あ、……ン、ぁ」
 
 俺の足を閉じさせてA兄さんが腰を動かす。
 正常位の状態で素股。
 ほぼ犯されているというか本番に感じるんですけれど。
 A兄さんからすると挿入を渋っている俺に気を遣ってくれたんだと思うけどアウトだ。
 ちょっとエッチなイタズラとかのレベルじゃないってば。
 
 A兄さんのチンコと俺のチンコがこすれ合って気持ちがよくて、もっとして欲しいと思ってしまったあたり俺はもうダメだ。

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