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  023 眠る時の姿って性格が出るね


 
 
 食事を切り上げて歯を磨いて、お風呂は済んでいるから寝るわけだけど……何処で?
 俺は寝室が与えられてるわけだけどDとベルトルに引っ張られてる今の感じからすると行き先は違うっぽい。
 ちなみに食事をしてたのはこじんまりとした部屋だった。
 そういえば誰が料理を作ったんだろう。
 この屋敷に入ってから三人以外を見ないんだよね。
 俺は裸だったりするから見られなくていいんだけどパスタは温かかったから作ってセッティングしてくれた人がいるはず。お風呂だって全自動なわけがない。前もって作ってくれてる人がいる。けど見当たらない。黒子的な、忍者的な、隠密的な人がいるのかな。
 ベルトヤカの立場を考えるとそういう謎の人が居ても不思議じゃないかもしれない。
 いつか知ることになるなら深く考えるのはよそう。
 俺が堂々と露出プレイに興じていたとかその人に思われてるとかそういうのは被害妄想って言うんだ。ちょっと裸で出歩くぐらいきっとベルトルだってしてるから職業的に少年の裸なんて見慣れてる見慣れてる。俺はおかしなことなんかしてない。よし、自己暗示終了。
 
 屋敷の中は意外に広いから一人で歩いたら迷うかもしれない。
 絨毯が敷かれていたり石っぽい材質だったり床は色々。
 基本は土足で部屋に入ったら室内履きに履き替えたりする。
 この辺りは日本でも大きな屋敷やデザイナーズマンションなんかは外からお客さんが来ることを想定していると土足OKな気がする。
 お客さんに靴を脱ぐ手間をかけさせないって考え?
 オフィスとかビルで靴を脱げって言われないとかそんな感じ。
 土足文化はそこまで気にしたりしない。
 ベッドの中ではもちろん靴は脱いでるし、何も問題ない。
 
「ベルトル……足、舐めようとしないで……っ」
「っ、……ちゅっ、やらぁ」
 
 学園の寮のベッドが大きいなぁと思っていたのが何だったのかと思うほど通された部屋はベッドで埋まっていた。マットじゃなくて大きいベッドが部屋の中にすっぽり。
 部屋の大きさをタタミ何畳分とか言うけど俺はタタミに馴染みがない。
 二メートルぐらいありそうなA兄さんが縦横無尽に暴れまわっても平気そうな部屋の広さ全部がベッドだとしか言えない。
 他の部屋も俺の常識からすると高い天井だったけどベッドに埋まった部屋は特に天井が高い。
 ベッドの上に立っても頭が当たらないようにっていう配慮なんだろうか。
 部屋の中は扉を開閉するスペースと靴置場とクローゼットとサイドテーブルの上にランプ。
 ランプは火で明かりを灯す昔ながらのもの。屋敷の廊下の明かりは火のようには感じなかった。
 理由を考えて思い至ったのが炎の揺らぎ。
 明かりは一辺倒でそれは電気なら不自然じゃないけれど窓の外に亡霊のように白い毛玉が追いかけてきて俺は考えるのをやめた。
 アイツらは俺の頭髪を狙っている。部屋を移動してもずっと外にいるなんて付け狙われているとしか思えない。ストーカー被害対策本部は何をしている!!
 絶対に窓を開けないことを心に決めながらベッド部屋にやって来た。
 A兄さんが全裸になってベッドの中に入ってくる。
 スーツはしっかりとクローゼットに仕舞ってる。シャツは床にポイ。
 なんでポイした。洗いものなら洗濯籠に入れたりしないのか?
 床が洗濯籠なのか??
 誰が拾うんだアレは。
 
「どうして裸?」
「これから寝るからな」
 
 A兄さんの答えに理由になっていないと思いながらベルトルを抱きしめることで足ぺろを回避した。
 濡れた足はシーツでぬぐってやる。
 
 全裸のA兄さんと違ってDは薄い素材のネグリジェを着ている。
 男でもネグリジェって言うのかは知らないけどガウンじゃない。
 あからさまに女性ものってよりもユニセックス的なレースのネグリジェ。
 寝間着とかパジャマってより大人の女性が着てるのが似合いそうな服。
 ちなみにDは自分が着ていた服を綺麗に畳んで扉の近くに置いている。
 どっちにしても床置きなのは他に場所がないからかもしれない。
 部屋の中は殆どベッドでサイドテーブルにはランプ。
 火元近くに衣類は普通は置かないから仕方がないのかな。
 ベルトルはベッドの中というか俺の腕の中で服を脱ぎだした。
 床にポイッとしたかったんだろうけど服は俺の足あたりに落下。
 ベッドが広いっていうのもあるけど普通に勢いが足りない。
 
「すぅちゃん、蹴っといて」
「どうしてそんなに行儀が悪いんだ」
 
 食事中からして俺に抱きついてきたり脱がせようとするベルトルは最初からマナー的にマイナスだったかもしれない。誰も注意しないから今まで来てしまったのかもしれない。これは俺が心を鬼にするべきかもしれない。そんなことを思ったが「すぅちゃん」と甘えた声を出すベルトルはかわいい。
 こんだけかわいいと何でも許せる。
 つい頭を撫でてしまったりする俺はベルトルに見透かされているのかもしれない。
 年下というか十歳ぐらいに対して俺は甘すぎる。
 分かってるけど逆らえない。
 
「行儀悪いオレのこときらい?」
 
 うるうるした潤んだ瞳であざとさだけを煮詰めて俺に迫ってくるベルトル。
 かわいすぎるので「すき」とか返しちゃう俺はバカ丸出し。
 ねだられるままに頬っぺたとかオデコとかちゅっとキスしておく。
 唇はしないよ!
 
「スイ、明日の朝はどうするのか覚えていますよね」
 
 はて、何の話だろう。
 Dの言葉に首を横に振ると頬を撫でられた。
 ベルトルが俺のワイシャツを脱がして来ようとするのを阻止しつつDに視線を合わせる。
 ワイシャツごと乳首辺りをぺろぺろしてちゅーちゅーするショタはちょっとレベルが高すぎる。
 誰がこんなこと覚えさせたんだ。
 それとも母親が恋しい年頃でおっぱい離れができないのか?
 違うだろ。分かってんだよ。
 純粋なショタがこんなことしないことぐらい分かってんだよ。
 でも見た目は何処からどう見ても十歳前後の美少年。
 はにかんだ顔は少女に見えなくもないほどに性別不詳気味。
 まあ、風呂場とか今現在の裸でチンコついてるのは見えますけどね。
 男なのは分かってますけど大きくなったら美少年になるかもしれないとか思うと大抵のことが許せるんだよ、俺は。
 
「明日って何かあった?」
「明日だけの話じゃないです。毎朝のことですよ」
 
 美女顔なDが拗ねたような顔をする。美人が唇を尖らせるとどうしてこんなにかわいいんだろう。
 俺がやっても変顔みたいになるのにDがやると和むかわいさ。
 美人だからこその仕草でのギャップ萌え?
 
「精液飲まなかったら死ぬんですよ?」
 
 まったくもう、みたいなテンションでDが言ってくる。
 忘れてた、わけじゃないけど……忘れていたかった事実。
 明日の朝にここでヤレって?
 他の兄弟の前でフェラチオですか??
 
「はいはーい! 明日の朝はオレにやって!! ねえ、すぅちゃんっ」
 
 手を挙げて元気よく言い出すベルトル。
 精通終わってるんだ……って、そこが問題じゃねえよ。
 
「ムリムリ」
「えぇ!? 初日で、でぇーくんが手を出したなら次はオレでしょっ」
「ベルトルは……子供じゃん?」
 
 百歳とかなのか?
 ショタ爺なのか??
 
「子供の何が悪いんだー!!」
 
 まさかの逆ギレ。
 ショタはショタだと言われるのを嫌がる。つまりベルトルはショタ。
 
「彗星の嫌がることをするな」
 
 A兄さんはちょっと格好良さ過ぎてどうしましょう。
 でも裸だから分かる股間ものはビッグすぎて俺の手には負えません。
 だってそれまだ勃起してない通常状態じゃん? 通常でそれって勃起したら口に入らないどころじゃないよね。
 凶悪すぎる。喉が裂ける。
 
「でぇーくん専用とか許さないんだからねっ」
 
 ぷんぷんって言いながら俺にぐりぐり頭を寄せてくるベルトルのかわいさマジ魔性。 
 
 

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