本能なのか思春期なのか



10.5、

「あ〜疲れた〜」

 まあ、今日のは俺が悪いんだけど。ナマエの女子高から帰ってきたフロイドは、アズールからゲストルームの清掃とベッドメーキングをするように言われた。ちょっと疲れて寝たい〜と口走りそうになったが、ゲストルームで寝て綺麗にすればいいだろーと判断したので、アズールの前で余計なことは言わずに済んだ。ベッドへ大の字になって寝転がると、いい匂いがした。ゲストルームの、匂いじゃない。石鹸の香りに、その人特融の匂いが混じった匂いだった。

 これ、ナマエの匂いだ。フロイドは枕を引っ張って引き寄せると、枕に鼻を埋めて、思い切り匂いを嗅ぐ。やっぱり、ベッドよりも濃い匂いが残っていた。

「やば、めっちゃいい匂いなんだけど」

 なんと言えばいいのだろうか。胸が満たされるような、ほっとするような、でも、身体の下から熱が生まれるような。フロイドはシーツの中に潜って、彼女の残り香に包まれる。すぅと鼻で息を吸って、フロイドの口から吐かれる息が妙に熱かった。うわ、これ、やばい、かも。フロイドは足をもぞもぞと動かして、じれったいようにシーツをつま先で引っ掻く。暑い。フロイドは靴下を脱いで、ベッドの外へ放り投げる。ジャケットも、ボウタイも、フロイドはワイシャツとズボン以外脱ぎ出して、再びシーツの中へ潜り込む。

 フロイドは自分の下着へと触れると、そこはすっかり反応していた。もどかしい刺激なんてめんどくさい。下着を下げて、硬くなった熱を取り出すと、フロイドは左手で包んで、上下に動かし始める。陸に上がってから、覚えた行為だが、自慰は悪いものではなかった。時々疲れ果ててんのに、勃つのはすっげぇめんどくせぇけど。どんどんフロイドの手は汚れて、ぐちゅぐちゅと濡れた音がシーツの中に響く。あーなんか、足んない。枕に顔を埋めて、フロイドはナマエのことを思い出そうと、目を瞑る。

 ナマエは小さいながらも、身体は柔らかかった。そいや、パルクール中に、思い切りお尻掴んじゃったけど、ナマエは気絶してたから気付いてねぇよな。すっげえ、柔らかかった。昔のアズールといい勝負……いや、柔らかさの種類は違うか。アズールもぷにぷにしてたけどぉ、てか今アズールのこと考えたくないのに。もぉ、アズール邪魔。フロイドは理不尽なことを思いながら、右手で枕を掴む。あー、違う、全然違う。もっと柔らかくて、ふにって、していて、やわらかいのに、弾力があって……。あー、もっかい触りてぇ。

「はぁっ、はっ」

 押しに弱そうだからなぁ、ナマエ。心配。すぐ食べられちゃいそう。そう、例えば、こんな感じ。



「ナマエってホント小っちゃいねえ」
「ふ、フロイドくんが大きいんだけ、だよ!」
「ん〜」

 フロイドはご機嫌で、小っちゃい小っちゃいと彼女に言いながら、彼女を膝の上に抱き上げる。そのまま彼女の小さなお尻を撫で上げて、遠慮なく揉みしだく。彼女は顔を真っ赤にして、フロイドの胸元のシャツを掴んで、首を横に振る。白い耳も、真っ赤で可哀そうなことになっていた。フロイドは可哀そうな耳にキスをして、耳たぶに軽く歯を立てた。

「ひゃっ」
「フフ、かわいー声」
「や、やだ」
「俺は嫌じゃないよぉ?」
「も、もおーそういう問題じゃなくてぇ」

 ぐずぐず泣きそうになる彼女の両手を掴んで、フロイドは自分の首へと持っていく。「ちゃんと掴まっててね〜」「え」フロイドはなだらかな背中を撫でてて、躊躇なくワンピースのチャックを下していく。白い背中が現れて、フロイドは思わず舌なめずりをする。サラサラのワンピース越しも良かったが、薄い下着のお尻もさらに、触ると気持ちが良かった。

「ふ、フロイドくん恥ずかしい!」
「恥ずかしがってるナマエ可愛いから、大丈夫」
「いや、だからぁ」

 恥ずかしがるナマエぜってぇ、エロくて、かわいい。フロイドは着崩したワンピースを着る彼女も堪能したかったが、それよりももっと刺激が欲しくなった。フロイドの脳内の彼女は、場面が切り替わるように、服を全部脱がされて、フロイドに押し倒されていた。胸は小さい。たぶん。彼女は胸を隠すように腕をクロスさせて、身体をくの字にさせて、少しでもフロイドの目から逃れようとする。

「んー、ナマエは小っちゃいからぁ、ちゃんとしないとねえ?」
「な、なにを?」
「ココ」

 フロイドの大きな手が躊躇なく彼女の足を思い切り開き、そのまま太ももの内側に触れて、どんどん手のひらを滑らせていく。彼女はじわじわと近付いてくるフロイドの手に怯えて、腰を引こうとするが、もう片方の手で掴まれて動けなくなってしまう。片手で掴まれてるだけなのに!フロイドくん力強すぎ!フロイドの指先が触れると、くちゅり、と濡れた音がして、フロイドはにたり、と口角を上げる。彼女は羞恥心に耐えきれず、両手で顔を覆って唸った。

 彼女の濡れている所を、フロイドは中指の腹でくちゅくちゅ、と撫でるように上下に動かした。彼女はふわふわとした刺激に腰を揺らして、必死に声を抑える。

「ナマエのかわいー声もっと聞きたいんだけどぉ」
「んーん!」
「もう、強情だなぁ」

 フロイドは中指をゆっくりと彼女の中に入れていく。フロイドの長く角ばった白い指が、熱いものに包まれて、ぎゅうぎゅう、と締め付けられる。あームリ、今すぐ突っ込みてぇ。つぷん、と指が入りきると、今度は指を引いていく。そのときも中を擦る際に、刺激になるのか、彼女は腰をびくびく、と反応させていた。ゆっくりと出し入れをぐちゅぐちゅと繰り返していると、次第に彼女の中がさらに濡れて、どんどん出し入れがしやすくなっていく。

「あっ、ふろいど、くんっ」
「ナマエかわいい」
「んやっ」

 ただ出し入れするだけでなく、指の腹で、彼女のお腹の方の壁を擦ってやれば、彼女は腰をゆらゆらと揺らして、無意識のうちに足を自ら開いていた。その光景にフロイドはごくり、と喉を動かして、中を指を曲げて、ぐいぐいと指の腹で押してやる。フロイドが指を動かす度、ぐちゅぐちゅと重たい水音がして、彼女は耳を塞ぎたくなった。それでも、腰から背中にかけて走る快感に、どんどん我慢ができなくなっていく。彼女は知らない間に、胸の先端が硬くなっていることに気付いて、自分でも驚くぐらいの甘ったるい声でフロイドを呼ぶ。

「ナマエどうしたのぉ?そんな可愛い声出して」
「ふろいどくん、ここ、してっ」
「!」

 彼女は腰を掴んでいたフロイドの手を引っ張ると、自分の胸へ持っていく。フロイドが手を動かさなくても、胸が大きな手に包まれただけでも、気持ちが良かった。彼女はフロイドの手に胸を押し付けるように、背中を動かして、フロイドを見上げる。彼女ができる最大のおねだり、だった。フロイドは大きく目を見開いて、彼女の痴態に、腰がずん、と重くなる。

「はあ?ナマエの癖に、生意気じゃんっ」
「ふろいどくん、ちゅう、も」
「あーもう、マジで、知んないからね」

 フロイドは彼女の中から指を抜くと、両手で彼女の胸を揉みしだいた。彼女の口からは甘い声が漏れる。そんな口を塞ぐように、フロイドは遠慮なく彼女の口に舌を押し込んだ。絡み合いというより、一方的に擦り合わせるような乱暴な舌使いに、なぜか彼女はもっと濡れてしまう。フロイドにもっと、とねだるように、彼女はフロイドの首に腕を回して、自分からも唇を押し付ける。

「んっ、むうっ、やぁっ」
「はぁー、むり、ホントムリ」
「ふろいどくん……」
「もう、ムリ」

 ムリムリと呟くフロイドのことも気にせずに、彼女はフロイドにちゅ、ちゅ、とキスをすることに夢中になっている。フロイドはアーと唸ると、グズグズになった彼女の所へ、自分自身へ押し付けた。フロイドのつるり、とした先端が、ぐちゅぐちゅと彼女の熱い部分へ触れる。フロイドの口から、熱い吐息が零れた。

「はぁ、きもちい」
「んっ」

 あー、実際、たぶん、こんなすぐ入んないけど。むり、入れたいから、入れる。フロイドはぐずぐずの、熱い窪みに、押し付けて、そのまま自分を押し込んでいく。小さな薄い腹に向って、グロテスクな塊が飲み込まれていく光景は中々背徳感があった。あー、せま。あつ。めっちゃ締め付けてくる。彼女の中はぎゅうぎゅう、とフロイドを締め付けて、離さない。

「ん、はっ、ナマエ動くね」
「うんっ」

 彼女はお腹がいっぱいで苦しそうだった。フロイドの言葉に頷くことしか出来なかった。腰を引いて、それからまた押し付ける。んで、何回もそれ繰り返して、で、最後は思い切り奥にぶっかけたい。フロイドは気持ちのままに、左手で自身を擦る。シーツが汗ばんだフロイドの肌へべったり、と張り付いていた。腰にかけて快感が走って、そのまませり上がってくる熱に、フロイドは歯を噛み締める。


「うっ、……はっ、はぁ、はぁ」

 フロイドはシーツを思い切り勢いよくどかして、肩を大きく動かして、呼吸をする。左手には、べっとり、と精液がかかっていた。

「あー……最悪。きたなっ、掃除めんどくせぇ〜」
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