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これの続き。
※百合










「あの、シグさん」


「んー、なに?いまちょっといそがしい」


「あの、さっき森の入り口でシグさんといつも一緒にいるテントウムシさんが迷っているのを見つけたので引き渡しに…」


「! ありがと」


「良かったですね、テントウムシさん」


「ん、お礼にこれやる」


「え!いいんですか、こんな貴重なもの」


「ラフィーナからもらったけどみんなくれってめんどうだし、お礼」


「…ありがとうございます」




   *  *  *


「ようするに、それはその経験がないと使っても意味がないのよ。というか使えないワ」


「そういえばラフィーナが持ってたらしいですよ。
見せてはくれなかったけど」


「そりゃ煩わしかったんじゃないの?町全体で半伝説化してたから人も殺到するでしょうからネ」


「ふーん、よくわかんないけどじゃあ経験があったら効果抜群なのか」


「まあ例外もあるんでしょうけどネ」


またも店にやってきたアホッ子ナマエ。今日は単体。
店の高い棚に置いてある品を取るため椅子をカウンターの前に置いてアタシの前で頬杖をついてだべってる。


「ていうかアンタ一体ぐりぷよキャンディでどんだけ粘るつもりなのよ!」


「えー、いいじゃないですか。今お店にお客さんいないしコウベさん暇じゃないんですか」


「まったく…コーヒー一杯で喫茶店に粘る客じゃないんだから…相談料とるわヨ」


ぽりぽりと歯でキャンディを砕いてくあー…と伸び。
思い出したかのようにぽつりと零す一言は今日の目的だったようで怠そうにしつつも目にはきちんとした光りが灯っている。


「コウベさん、リデル知らない?」


「知らないわよ。ていうかあの子はアンタいなかったら1人で来ないわ」


「そうですか。それはちょっと嬉しいような見つからなくて寂しいような…」


「じゃあさっさと探しにいきなさいよ。営業の邪魔なのよ」


「あれ?コウベさんまさか嫉妬?」


「ホント閉め出すわよコムスメ!」



ふざけるナマエに声を荒げるとからんからんと店の鈴がなった。


「いらっしゃーい、……ってアラ、アンタ…」


「あ!やった!探したよリデル!」


「! ナマエさん」


お客がリデルと分かった瞬間立ち上がり、リデルに抱きつくナマエ。まったく外でやりなさいよ。



「何の用かしら、ダサ帽子なら入荷してないわヨ」


「あの、ちょっと、ナマエさんと勝負をしたいので審判お願い出来ますか?
私とナマエさんの勝負ならそんなには激しくならないと思うので…」


「おー!リデルから勝負したいなんて珍しいね!どうしたの?」


「使いたいアイテムがあるんです…!」


「え?何だろう!
私もゲットしたてのアイテムってすぐ使いたくなるよ。
おじゃバブルとかふぃーローの杖とかいいよね!」


「まったくしょうがないわね…気をつけてやんなさいよ。
ルールはフィーバーでいいわね」


「はい、お願いします」


「私もアイテム使おうかな!
ふぃーばーどの羽使いますね、コウベさん」


「ホラ、アンタもアイテム使うなら早く出しなさいよ」


「はい…」


長い袖に包まれつつも、しゃらんと音を立てて揺れたそれは確かに見たことのあるハート型のそれで。
ぷらぷらと羽を手で揺らしていたナマエの側に駆け寄ったツノっ子は正にそのアイテムと同一の名を持つ行為をした。



「え?」


「……すいません、ナマエさんには使えないみたいだったので使えるようにしちゃいました」



まったく別の場所でやりなさいって言ってるじゃないのよ。
ん?ナマエ?勝負どころじゃなくてぷよを乱立しまくって勝負が苦手の部類に入るリデルに五分負けしてたわよ。まったくいい気味ネ。このバカップルが。






2012/05/29
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ぐりぷよキャンディ ¥40


チューの思い出をそういうものだと勝手に解釈した後の暴走でした。あとコウベさんが動かしやすすぎてまたやりたくなった。



 
 
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