5万打 | ナノ

乙女心と驟雨


体育祭。一番盛り上がるのは最終種目の男女混合リレーだと思う。けれど、男子に限っては今この種目が一番盛り上がっているに違いない。皆裸足になって、Tシャツを脱ぎ捨て肌を太陽へと晒し獣みたいな声を上げている。騎馬戦だ。追いかけて、追い詰めて帽子を取るなんて生易しいものではない。肉と肉がぶつかって、まるで格闘技。血の気の多いこの競技を引き気味に眺める私を含めた女子一同。

「うちのクラス負けそうだね」

ぽつりと呟いた友達に、あまりの激しさに目を覆っていた手の指の隙間から終わりが見えてきたらしい競技を薄目で見つめた。

「相手のクラス。山本が凄いよ」

「山本」その言葉にびくりと肩が跳ねた。そして指の隙間を大きくして覗けば、金髪モヒカン頭の山本くんを捉えた。相手を威嚇するような髪型に「オラー!」と乱暴な叫び声。

「……苦手だ」
「まあ、怖い感じするもんね。でもナマエさあ、一年の時さあ」
「待って! 言わないで!」
「山本のこと好きだったんじゃなかったっけ?」

ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべて私を見る友達は悪魔だ。可愛い顔をした悪魔だ!

「違うし。まだ好きじゃなかったし」
「でも王子が現れたって必死で探してたじゃん」

友達の言う通り、一年の時私は山本くんが好きだった。いや、正確には山本くんにときめいていた時期があった。


高校生になったばかりの春。新しい自分に生まれ変わったような気持ちでいた私。新しい制服、硬いローファー、まだ通いなれない通学路。景色は色付いて、輝いて、見るもの全てが新しく見えた。つまり、分かりやすく言えば私は浮かれていた。始まったばかりの高校生活に浮かれていたのだ。だから、普段の私だったら絶対にしないような行動をとってしまった。
学校のすぐそばの横断歩道。広いのに信号が変わるのが早いなって印象。そこにお婆さんが重そうな荷物を抱えて信号を待っていた。普段の私なら大変そうだなと思うだけで、きっと何もしない。けれど今の私は「高校生になった自分」に酔っている。酔いしれている。

「あの、良かったら持ちましょうか?」

お婆さんは驚いた顔をしながらも「悪いね、ありがとうね」と荷物を私へ渡し、笑顔でそれを受け取るとズシリと想像以上の重みが私の腕に襲いかかった。
嘘、でしょ。顔が引きつり冷や汗がつたう。でも横断歩道さえ渡れば私の任務は終わるわけだし、頑張ろうと気合で横断歩道を渡りきった。その間お婆さんは最近生まれたらしいひ孫の話をずっとしていて、その話は横断歩道を渡り終えても続く。完全に荷物を返すタイミングを失った私。
「持ちます」と自分から言い出した手前、もう無理ですなんて言えるわけがない。腕が痛い、重さに耐えきれなくて前屈みになった腰が痛い。どんどん歩くスピードが落ちて停止寸前になった時「あ、あの!」と後ろから大きな声がした。

「持つ! ます!」

もつます? 振り返れば同じ学校の制服を着た男子生徒。イカツくて怖い顔。いつもならびびって逃げたくなるような面構えの男子なのだが、この時ばかりは神か天使に見えた。
軽々と荷物を抱えて、お婆さんのひ孫の話をうんうんと聞きながらしっかりとした足取りで歩みを進める。そしてお礼を伝える暇なく私のことを置いて行ってしまった。
先輩だろうか。イカツイ彼に分かりやすくが胸がときめいて、全然タイプじゃないのに颯爽と現れたヒーローは私の王子ではないかと思ってしまうくらい、高校生になったばかりの私は浮かれていた。だから、イカツイ彼の名前を知りたくて探して回った。そして彼の名前が山本猛虎くんであることを知って、バレー部だってことを知ったところまでは良かった。そこまでは良かったのに事態が急変したのだ。

浮かれていた自分が目を覚ます出来事が起きた。


「なあー! 見た!?」
「見た見た!」
「ヤベーよあれは」
「男だ男!」

いつになくざわめくクラスの男子。友達とのお喋りを中断して何事かと男子に声をかければ「隣のクラス行ってみ」と、目を爛々と輝かせて口にする。

「山本がヤベー!」

「山本だって!」と友達が私を肘で小突いて、意気揚々と隣のクラスを覗きに行けば男子がお祭り騒ぎ。男子の群れの中心にいるであろう山本くんが「やめろ! 引っ張るな!」と大声を出して、男子を払いのけている。それによって人混みに亀裂ができて、チラリと現れた頭をを見て吃驚。山本くんの頭が金髪モヒカンになっていたのだ。

「凄いね。でもちょっと、怖いね……」

引き気味の友達に同調して、何度も頷いた。そしてあの時のときめきは、浮かれ気分の産物で吊り橋効果的な何かだったんだろうなと思い直す。そもそもイカツイ系はタイプではないのだから、さらに他人を威嚇するような髪型にするのが理解できない。
すっと気持ちが冷めていくのを感じながら「そろそろ戻ろうか」と、もう一度山本くんへ視線を向ければドッカリと腰をおろしたその座り方。潰された上履き、ポケットに突っ込まれた手。なんでか全部全部苦手に思えた。何をされたわけじゃない、むしろ親切にしてもらったのにも関わらず嫌だなって思ってしまう。そうやって見つめていれば目があっしまって、分かりやすく逸らされた。顔ごと勢いよく逸らされて、何? 今の反応? ってちょっと嫌な気持ちになる。まあ、目があって笑顔を向けられても怖いけれど……。

ああ、苦手だ。凄く苦手だ。あの時の記憶、親切な彼を「金髪モヒカン頭の山本くん」でベッタリと上書き保存をした。



「いやー、早い失恋でしたなぁ」
「失恋じゃないし」

そんなことを話しているうちに終わった騎馬戦。うちのクラスは負けて、山本くんが雄叫びを上げながら自身のTシャツを振り回していた。

「……苦手だ」


-------


体育祭が終わり、クラスの体育委員の男子が騎馬戦で怪我をしたらしいと同じく体育委員の友達が呆れた溜息を吐いた。

「片付け手伝おうか」
「マジで! いいの!?」
「うん。帰りに冷たいの奢ってくれるなら」
「ただじゃないのかよ!」

そう言いながらも笑って「助かる」と一言。

「パイプ椅子を体育館に持っていってもらっていい?それでコレで拭いておいて」

手渡された雑巾を片手に「了解」と早速片付けに取りかかる。パイプ椅子を折りたたんで運び、砂と汚れを拭いてから体育館の中へ。その作業を二往復程したところで足が止まった。目の前にバレーの格好をした山本くんが怖い顔をして仁王立ちしているからだ。
砂の汚れを拭くのが甘くて体育館が汚れるんだよといった文句だろうか……。恐る恐る顔色を伺えば、怖い顔は変わらずおまけに鋭い視線。動けない私は蛇に睨まれた蛙。暫くその状態が続いた。なかなか何も言わない山本くんは怖いが、椅子を持った腕は疲れてきたし早く終わらせたい。

「あの、何か?」

意を決して声を出せば、山本くんはビシッと背筋を伸ばして気をつけの姿勢をとった。

「て、手伝う!! ……ッス」
「え? あ、ありがとう……。でも部活あるんじゃ?」
「まだ時間ある、し、大丈夫、ッス」

断る理由もなく、お願いしますと雑巾で拭き終わったパイプ椅子を体育館に運ぶ作業を頼んでグランドへ戻った。

緊張した。心臓がばくばくだ。山本くんの顔は怖いけれど、本当は親切で優しい人だって私は知っている。怖い見た目でもやっぱり山本くんは初めて会った時と同一人物なんだなと、当たり前のことを考えて、嫌だなって思っていた自分のことが嫌なやつだなと思った。そしてひたすらパイプ椅子を運んでせっせと拭いていると、手持無沙汰なのか山本くんが手を握ったり開いたりしながらもごもごと口を動かした。

「拭くのも、俺やる」
「あ、じゃあ……、お願いします」

役割分担したおかげで想像より早く全てのパイプ椅子を運び終えて、二人で黙々と椅子を拭く。得たいの知れない緊張感漂う無言の空間が、なんだか気まずくて山本くんを盗み見ると、真剣な顔をして椅子を拭いていた。その雄々しい顔の頬の辺りの傷に目がいく。騎馬戦で怪我したのかな。そんなことを考えていると、山本くんの瞳が動いてぶつかる視線。そしていつかの日みたいに慌てて顔を背ける山本くん。感じが悪いと以前思った動作が、この距離で見ればまた違った印象を受ける。耳を赤くさせて、何度も同じ場所を拭く姿が、照れているのだと分かる。

あ、可愛いかも。

そう思った瞬間ドンと心臓が跳ねた。金髪モヒカン頭の山本くんが? 可愛い? 自分の思考に驚いたのと同時に込み上げてくる笑いをぐっと堪えた。私が勝手に可愛いなんて思ったのに、それを笑ったりしたら失礼過ぎる。何か気を紛らわせよう。

「山本くん」
「おおう!?」

気を紛らわせたくて声をかけたのに、変な声。目を大きくさせてぎゅっと結んだ口。さっきまでの怖い顔と全然違って変なの。あ、駄目だ。そう思ったときにはもう遅くて、ケラケラ笑ってしまった。すると山本くんは顔を真っ赤にさせて固まる。それが更に可笑しくて笑いが止まらなかった。暫く笑って「ごめんね」と涙目になった目を拭えば「別に」とぶっきらぼうに返事が返ってきた。山本くんの緊張しているような素振りを見ていると、私の緊張がどこかへ行ってしまった。だからか山本くんと話してみたくなる。

「顔の傷、痛くないの?」
「……痛く、ねえ…す」
「騎馬戦でぶつけたの?」
「……たぶん」
「絆創膏あるけど使う?」
「いや……」

面白いと思った山本くんの一挙一動だがあまりにもガチガチな受け答えが続いて、悪いことをしているようで申し訳なくなった。迷惑だったかな、煩かったかなと口を閉じて作業に集中する。すると今度は山本くんか口を開いた。

「た、体育、委員……なんすか……」

相変わらずの口調。一度も私には視線が向かないが、会話が嫌だったわけではないらしいことに少し安心。

「違うよ。手伝ってるだけ」

それからポツポツと、途切れそうで途切れない会話を続けた。そしてこの作業に終わりが見えたので「ありがとう。後は私やるよ」と伝えると、「いや、でも」と何か言いたそうな山本くん。しかしその言葉を遮るように、「練習始めるぞ」という声が体育館から聞こえてきた。

「バレー部じゃない?」
「あ、ああ」

歯切れの悪い返事をしながらも、それじゃあと立ち上り拭き終わったパイプ椅子を持った。

「山本くん、ありがとう」
「ウス」
「後、一年くらい前の話だけど、お婆さんの荷物持ってたとき、助けてくれてありがとう」

山本くんは言葉を失って身震いをするように背筋を伸ばした。それがどういう意味の反応なのか分からないけれど、見たことのない動きに笑ってしまう。

「お礼言うの遅くなってごめんね」

ぶんぶんと顔を横に振り、「部活頑張ってね」と伝えると頷いてパイプ椅子を担ぐように持ち上げ体育館の中へ姿を消した。そして「ウオー!」なんていう雄叫びが聞こえた。やっぱり苦手だな、そう思うのに頬を緩ませている自分がいた。

残ったパイプ椅子を綺麗にして、体育館の所定の場所へ片付けながらバレー部の練習をこっそり覗き見ると、山本くんが真剣な表情をして汗を流していた。あの威圧的な髪型も大声も、運動部の汗と一緒だと爽やかに見えるのは、なぜだろう。ちょっとだけ格好よく見えるのは、なぜだろう。少しだけ胸がぎゅって音を立てたのは、なぜだろう。


‐‐‐‐‐‐


部活終わり、忘れ物を思い出して学校へ引き返し昇降口につけばパラパラと雨が降っていた。明るい空。にわか雨だろうか。待っていれば止みそう。晴れたら虹でも見れるかなと、薄い雨雲を眺めていると後から人が歩いてくる音が聞こえて振り向けば山本くんが靴を履き替えている。
体育祭のあの日以来、山本くんとの会話はない。だから今話しかけるか少し迷ってしまう。何も言えずどうしようかと黙って見据えていると、顔を上げた山本くんと目が合って、山本くんは不自然に固まった。あまりに不自然な山本くんの動きに思わず笑ってしまう。

「どうしたの?」

なんて聞きながらクスクスと笑いを堪えられないでいる私に山本くんは「え!? いや!? あー! あぁ?」と一人であたふたとして顔を赤くさせた。そのドタバタした手に握られた傘を見て、おお、と感心した声を上げてしまう私。

「傘持ってるんだ。凄いね、用意いいね」
「いや、置きっぱなしのが、あって…」
「そっか」

途切れた会話。俯いて首の後ろの辺りをガシガシとかく仕草が、凄く雄々しい。太い首筋に目がいって、くっきりと出た喉仏、浮き出た筋になんでか見てはいけないものを見たような気恥ずかしさが生まれた。山本くんをそのまま見てはいられなくて、視線を外へと向ける。

外はまだ雨が降っていた。

雨音がしない程弱い雨。そんなぼやけた景色を眺めながら山本くんってもしかして私のこと好きなのかな、なんて曖昧な疑問が浮かぶ。顔を赤くさせたり、分かりやすく照れたり、緊張したり。そうなのかな、そうだったらどうしよう。嫌だなって気持ちはない。最近、もっと山本くんを知りたいって思っている自分がいる。もう一度山本くんに視線を戻せば、真っ赤な顔をして固く拳を握っていた。そしてゆっくりと交わった瞳。

「あ、あの!」

昇降口に響く声量に肩が跳ねた。眉間に皺を寄せて、険しい顔をしながらごくりと喉仏が動いた。

「コレ! ドゾ!」

ぎゅっと大きな拳に握られた傘を私に突き出して、勢いよく頭を下げる山本くん。なんだか告白されてるいみたいだなと、見当違いなことを考えつつも「大丈夫だよ、もうすぐ止むだろうし」と伝えた。そう伝えたのにも関わらず、山本くんは押し付けるように傘を私に預け、雨の中へ走り出してしまった。

「え! ちょっと!? 山本くん!」

先程よりも弱くなった雨脚。思わず私は山本くんの背中を追いかけた。傘をささずに走って「山本くん!」と呼んでみるも聞こえていないのか、無視しているのか振り向いてくれない。しかも足めちゃくちゃ速いし! 走って走って、もう追い付くことは無いだろうと諦めて立ち止まり、小さくなった金髪モヒカン頭に向かって叫んだ。肺を膨らせて、怒りみたいな感情任せに思いっきり叫んだ。

「山本猛虎!」

私の叫びは届いたようで、ビタリと足を止めゆっくりと山本くんが振り返ったのを確認したところで私は膝に手をついて項垂れた。肺か忙しく膨らんでは萎み、心臓は爆発寸前。酸素を取り込もうと身体が軋むように上下している。そんな私に山本くんは、ばつが悪そうに近づいてきた。

「何で、逃げる、の?」

息が整わないまま口を開けば、山本くんはボソリと「うまく、言えねぇ……」と呟く。そして慌ただしく動いたかと思えば、大きめのタオルをばさりと被せられた。

「え、なに?」
「いや……、」

大して濡れていない身体。もしや透けてる? そう思って自分の服を確認するが透けているわけではない。なんで? と山本くんに視線を向ければ「肩んとこ」と顔を赤くさせて顔を背ける。どうやら肩紐が透けていたようだ。そんなに照れる? 普通? そんな疑問と先程浮かんだ曖昧な考えをぽろりと口にしてしまった。

「山本くんて私のこと好きなの?」
「はあ!?」

今日一番の大声と、大袈裟なリアクション。そしてそれを越える怒鳴るような声で否定の言葉を口にした。

「ちっげーよ!!」

顔をこれでもかってくらいに横に振り、両手で違う違うと全力で表現している。そんなに違うのか……。

「あ……、そっか」

自惚れた恥ずかしさと同時に、なぜか傷ついた自分。ショックだ。間髪いれずに迷うことなく否定されたことが。

「そうだよね。変なこといってごめん」

恥ずかしい。消えたい。私は何様なんだ。軽率な発言をした自分が酷く無様である。今すぐ逃げ出したい。

「雨止んだし、はい。傘、ありがとうね」

山本くんに傘を押し付けて「ばいばい」と返事を待たずに帰路についた。とぼとぼと濡れたアスファルトを見つめ、私は馬鹿だなって目頭が熱くなる。山本くんに何て言って欲しかったんだろう。好きだって言ってほしかったの? もしそう言われたら付き合うつもりだったのだろうか。そっか、私って山本くんのこと好きだったのか。ときめいて、冷めて、好きになって。急に降ったり止んだりするにわか雨みたいだ。それで振られてやんの。どうしようもなくダサい。どうせなら私は好きだよって、そのくらい言えれば格好ついただろうに。
じわりと視界が滲んで、不意に溢れた涙を袖で拭おうとして香った男臭い香り。そこで山本くんのタオルの存在を思い出した。臭いってわけじゃないけれど、男の人の匂いがする。あーあ、返しそびれちゃったと苦笑いを浮かべながら重い足取りで町中を進み、そういえば虹って出たのかなと顔を上げた瞬間大声で名前を呼ばれた。

「ミョウジナマエさん!!」

急に呼ばれた名前に吃驚して辺りを見回せば、歩道橋の上に山本くんがいた。

「俺! 嘘つきました! 見ず知らずの婆さんに手貸したり、誰かを手伝ったり。あなたの誰にでも優しい姿勢と、笑った顔に惚れました! 嘘つくようなダサい男でスンマセン! あなたに釣り合う男になったらもう一回告白します!」

町行く人皆が足を止めて、クスクスと笑い声がする。けれどそんな周りの音よりきっと、私の心臓の音の方が煩く鳴っている。速まる血流、上昇する体温、胸が苦しい。

「そん時はヨロシクお願いシヤス!!」

頭を下げて、私に金髪に染まったモヒカンを向ける山本くん。私は山本くんの思っているような人間ではないのに。大して人に優しくないし、そういう面では絶対山本くんの方が優しい人なのに。誤解なのに。それなのに歩道橋の上から、この場にいる全員に聞こえるような宣誓。
告白されるなら人気のない静かな場所がいいし、傘だって一緒にさして歩いてくれる人がいいし、大きい声も苦手。

ああ、やっぱり山本くんが苦手だ。

苦手なのに、苦手だと思うのに、私は男臭いタオルを肩にかけたまま、両手で大きな丸をつくって笑っていた。

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