02 神の帰還

  悪逆皇帝とまで言われた、神聖ブリタニア帝国第99代皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。

  彼は民衆の前で、英雄・ゼロに剣で刺され、最愛の妹であるナナリーの前で亡くなった。

  その死により、世界は平和となる。
  そして………。





神の帰還






  Cの世界にて、神はまどろみから目覚めた。
  そして、全てを思い出し、納得する。


「そうか…そうだったな。すべては私が……」


  物憂げに眇めた眼差しが向かうのは、仮初めながらも最愛の妹と義理の兄、そして自らの親友だった青年が導く世界。
  彼自身が、自らを犠牲にしてまで、平和を願った世界。

――― 優しい世界。


「…恒久には無理だろう。…それでも、彼らが生きている間ぐらいは…」


  神である彼が願うのは、身近にいた人々達が幸せに生きること。
  彼らの心が平安であること。
  いつか彼らが死した後、後悔がないように生きること…だった。

  ……それにしても。


「…C.C.はいつ気付くのか…私のことを思い出さない内は難しいだろうが」


  深くため息をつきながら、自らの側にいた不老不死の少女を思い出していた ―――――。
*
| 15/35 |
[▼しおり/▲↑]