TURN25派生(4)

「継承の…間?」

「あぁ。ここは、遙か古代からのシステムが張り巡らされている。
  こうして見ていると、ただの古室だが…私達のような、ギアス関係者には深く強い意味を持つ」


  更に詳しく聞こうとジェレミアが口を開こうとする前に、C.C.が「そら、始まるぞ」と石櫃を示した。


「こ、これは……!?」










  ルルーシュを横たえた石櫃を中心として、光り輝く模様が描かれていく。
  ジェレミアは驚きのあまり、ルルーシュの傍らから一歩下がってしまったが、ハッとして元の位置へと戻る。
  おそらく、古代の文字か何かなのだろうが…さすがのジェレミアも、何を意味しているのかはわからない。
  光の模様は石室中を覆い、そして、その光はルルーシュ自身へと及ぶ。

  それを見つめていたC.C.は、徐に光に包まれたルルーシュの真上で、自身の手に傷をつけた。
  傷を付けたと言っても本当に小さなもので、その傷口からジワリジワリと滲み出る血の滴が、ポツリとルルーシュへと垂れる。
  滴は正確にルルーシュの心臓の上へと垂れ、そして……吸い込まれるように消えた。


「…え?」


  固唾を呑んで見ていたジェレミアは、思わず声を上げてしまった。
  だが、それも仕方がないだろう。
  普通ならば、飛び散ることはあっても、跡形なく消えるだなんて…。


「…ジェレミア」


  それまで無言だったC.C.が、ようやく声を発した。
  呼びかけられたジェレミアは、視線をC.C.へと向けることで応える。


「…ギアスは『王の力』だ。王の力は持ち主を孤独にし、異なる摂理、異なる時間、異なる命を与える」


  無表情で語っていたC.C.は、そこでニヤリと笑う。


「――― そして、ルルーシュのギアスはすでに、ギアスの最終形態にまで進んでいた」

  それが、どういう意味かわかるか?


  その意味を察したジェレミアは、驚愕で目を見開いた。
  愕然としたジェレミアを他所に、C.C.は頭上を見上げる。
  その視線の先では、天井にまで広がっていた光が、ルルーシュへと降りてきていた ―――――。
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