#119 VSチーム太陽
ジャック・・・たるんでる・・・
「目の前の敵から目を反らすなんて、ばっかじゃないの」
「満・・・」
「そんなんじゃねあっという間に足元掬われるわよ。バカジャック」
今日はスタンドから見てるわ、とだけ残して満はバックヤードを後にした。
すたすたと先を歩く満を追っかけて、お前らがんばれよ!じゃあな!と鬼柳が出て行った。
「獅子はね、どんな相手にだって全力で狩りに行くものよ」
「お前はなんたって、無敗の女王だもんな!」
「そうよ!」
2021/03/06
#118 ランチデリバリー
「遊星ー!お弁当持ってきたわよー!」
「あ!満姉ちゃん!」
「ひどい、僕もいるよ、満さん」
「あら、あんたも居たの、ブルーノ」
今日はお客さんがいるっていうから沢山もってきたわよ、と大きめのバスケットを芝生の上におろす。
レジャーシートを広げ、背中に背負っていた大きな水筒の中身を紙コップに注いでいく。
今日は温かいお茶を淹れてきた。
「龍亜くん、お運びしてくれる?」
「うん!まかせて!」
おにぎりにたこウィンナー、たまごやき、唐揚げ、フライドポテト、法蓮草のソテー!
もってきたおかずを並べれば、ピクニックの始まりだ。
「えーっと、チーム太陽?だっけ」
「は、はっい!」
「やっぱ都会には美人がいるんだな・・」
「マブイな・・・」
「ん?どうかした?」
「な、なんでもないですよ!」
「満さん怖がられてるんだよ」
「はぁ?そんなわけないでしょ」
ブルーノにチョークスリーパーでダイレクトアタックした。
「さ、遠慮しないで沢山食べてね!」
「「「ありがとうございます!」」」
・・・
「今日はなんか久しぶりにサテライト時代を思い出したわ」
「満もか」
「遊星も?」
ふふふ、と夕日にお見送りされながら二人でわらった。
2021/03/06
#116makemagic
「マーカーを隠したい?」
「そうなんだ・・・」
「ふうん?なーんか面白そうなことするのね」
とりあえず、マーカーの信号を読み取らせないための工夫が必要ね・・・。
厚めにシリコンパテを盛って、ファンデーションで馴染ませ境目を消して・・・。
うーん、こんなものかしら・・?
「こんな感じでどう?」
はい、と遊星に手鏡を渡す。
「・・・すごい、全然わからない」
「でしょー?」
「満、ありがとう。助かった」
「どういたしまして〜。遊星、あんたは有名人なんだからね?十分対策して、気を付けていくのよ?」
「ああ」
あと髪型もどうにかしなきゃいけないわね。
2021/03/06
#115
無事にイェーガーを捕まえてきた弟たち。
イリアステルとのつながりを聞きだすために、話を聞き始めたのだが・・・。
これは・・・
「ねぇ、これ、なんの話?食レポ?」
「満、しっ!」
「えー?」
このカップラーメンの話のくだり要るかしら?
と思っていたら遊星がズバッと言ってくれた。
やっぱりそうよ、ねぇ?
これじゃシェリーに胸倉つかまれてもしょうがないわね。
こないだ祝勝会に乱入してきた時から思っていたけど、彼女とはなんか気が合いそうだわ。
口より手が先に出るところとか。
「私もう付き合ってらんないわ〜」
もう付き合い切れないし、喉も乾いた、お茶をいれるために2階に上がった。
2021/03/06
#114 捕獲作戦2
イェーガーを捕まえる為にジャックが考えた作戦とは一体。
「か、カップラーメンマンwwwやだwいいじゃないww」
「やべぇ、クロウwwww似合うぞwww」
「・・・・・ふたりとも笑い過ぎだろ」
くじ引きで負けてカップラーメンの被り物担当になってしまったのはクロウだった。
ラーメン含め、他の衣装を手配したのは満だ。
ジャックにしてはよく考えた方だな、なんて思った。
2021/03/06
#111アフターナスカ
「ジャック、あんた、いい顔してるじゃない」
ナスカから帰ってきてからジャックはどこか吹っ切れた、スッキリした表情をするようになっていた。
ナスカで自分の殻を破ることが出来たみたいだ。
不遜な態度は変わらないけどね!
「フンッ、この俺に不可能などない!」
「あと旅費ね、出世払いだからね」
「ぐぁあっ!」
2021/02/27
#111 ビフォアナスカ
「ジャックと遊星がメキシコにいくぅ!?」
新しいエンジンに壊れたDホイのボディ、そしてジャックのコーヒー代・・・・クロウは頭を抱えていた。
そしてここにきてボマーからの招待・・・。
クロウは本当に頭を抱えていた。
「そうなんだよ・・・カツカツなんだよぉお」
チームの会計も兼ねてるクロウの顔はちょっとげっそりしていた。
メキシコ行きの旅費を捻出に苦戦しているようだ。
「飛行機代ぐらいなら、出してあげるわよ」
もうコーヒー代はおごってあげないけど、と釘は刺しておく。
ほんとジャックはいい加減自分のお金でコーヒーを飲めよ。
「うぇ!?姉ちゃんまじで!?」
「あんたも骨折であんまり稼げてないんでしょ?まあ今回はしょうがないわよ」
「助かるぜホント〜〜!」
「あの子も行き詰ってるみたいだしね〜。これを機に殻を破って、決勝に勝てるなら御の字でしょ?」
「おう!次は肩も完治さして俺も出るしな!!」
出世払いってことにしてあげる!とウィンクを一つ送った。
2021/02/27
#106 スタジアム留守番組
大量のゴースト出現により、まだ戦える遊星とジャック、ついでにブルーノは出て行ってしまい、非戦闘員の双子とクロウと鬼柳夫妻がスタジアムで留守番していた。
我慢しきれず飛び出そうとしたクロウが龍可に痛いとこつかれていた。
小さくてもしっかりさんだ。
「クロウ、安静にしてないと落とすわよ?」
「うわぁ!それだけはやめてくれってぇ!」
「鬼柳のにーちゃん、落とすってなに?」
「おう、それはな?」
「なになに??」
「うぁああ!!!」
「ふう・・・これで静かになるわね。ついでに医務室に放りこみましょうか」
「・・・満さんすごい・・・」
満の華麗なチョークスリーパーによりクロウは気を失った・・・。
2021/02/27
#104 闇のカード
カフェでの仕事が終わって、ガレージを覗きにいけば、お客さんが来ていた。
「あら、あんた、チームユニコーンの・・・誰だっけ」
「ブ、ブレオです・・・」
次の対戦相手の対策の為にわざわざ来てくれたらしい。
チームメイトがクラッシュして病院に運ばれた、と言っていた。
キッチンでお湯をわかして、お茶をいれてくれればそんなようなことを話してくれた。
―予選2戦目
チームジャンパーを着込み、サンバイザーを着用!
今日の私はチームの救護要員だ。
「今日は私がピットから見張っててあげる」
「俺もいるぜ〜!」
「姉ちゃん、鬼柳・・・」
「クロウ!借りはきっちり返してやんなさい!!」
「おう!!」
決闘中にクロウの後輪あたりに黒い鉤爪が出現した。
「なにあれ!!黒い鉤爪!!」
「うーわー、幽霊みたいだな!」
きもちわりぃ!隣の京介が騒ぐ。
「大分肩が痛えみてぇだな」
「鎮痛剤が切れてきたのね」
そしてクロウがピットへ帰ってきた。
本人は強がっているが相当痛そうだ。
「クロウ!!よくやったわ!!!さ、手当するわ!」
「いってぇー!!優しくしてくれよぉ、満姉ちゃん!」
2021/02/27
幕間1
最近またちょっと調子が悪い・・・
「う、ふらつく・・・」
「満?どうした?」
「ん・・ちょっと体がだるくて・・」
「風邪か?後は俺がやるから少し寝てろよ」
「うん、そうする」
健康だけが自慢の私の身体・・・風邪とかほとんど引いたことないんだけど・・・。
んーーでも前に似たようなことがあったような・・・
あれは・・・3年前??
これって、もしかして・・・。
「明日、病院行ってくるね・・・」
「おう!そうしろよ」
布団に横たわると、京介が頭を撫ぜてくれる。
心地よい温もりに眠気はすぐに訪れた。
2021/02/27