(千昭)←真琴←功介
＊
カラカラカラ…。
｢自転車、まだ直らねぇの？｣
ペダルで回されない車輪が軽い音をたてて回る。
横を歩くヤツはなんでか最近徒歩通学になった。
｢うん…。たぶん。｣
｢たぶんて…;｣
いつからか…はハッキリわかってるんだが。
カラカラ…。
｢途中までになるけど、後ろ乗ってけよ。｣
顎で示したのは自分の自転車の荷台。
でも答えはもう、わかりきっているのだ。
困ったように笑って首を横に振って。
｢いい。｣
『ごめん』でもなく出てくる拒絶。
知ってるよ。
お前が後ろに乗らなくなった理由。
｢あぁ…悔しいな。｣
いい加減、待たせてるやつのもとへ帰ってこいよ。
…このバカ親友。
＊
なんとなく自転車に乗らなくなった真琴。
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