1月の寒さも最終局面になった今日この頃。なんと江戸に雪が降りました。朝起きてカーテンを開けると一面銀世界です。

「わ…!雪!」

久々の雪だ!子供が雪でワクワクするように、私もワクワクしてしまった。あとで雪だるま作ろう、なんて意気込んでしまった。
早くお団子屋さんに行こう、と用意をしていると電話がかかってきた。

「はい、苗字です」

ーあ、名前ちゃん?お団子屋だけど、今日雪すごいから来なくて良いよ。家でゆっくりしてな。雪だからみんな家にいるだろうし。

「あ、そうなんですね。わかりました。では明日行きますのでよろしくお願いします」

ーはいよ、またね。風邪ひかないようにね。

「はいわかりました」

スマホを切ると休みということを突然言われて呆然としてしまった。うーん…どうしようか。ゆっくりしようか、と思っているとピンポーンと次は家のインターフォンがなった。

「はいはい、って神楽ちゃん!それに新八くんと銀さんも。どうしたの?」

「おはようアル名前!雪だるまつくろぉ!」

「雪だるま?」

「雪降ってるからって名前と遊ぶって聞かなくてよ。来る途中に団子屋に行ったら、今日は休みだから家にいるはずってオヤジから言われて、来てみたって訳だ」

「そうなんだね、わかった。じゃあ準備するから、家で待ってて」

3人とも頭に薄っすら雪が積もってて可愛かった。








「うわぁ、すごい人だね」

神楽ちゃんがいつも遊んでいる公園に来てみたがやはりみんな考えることは同じらしく親子、もしくは子供同士で来てる人が多かった。

「名前!たくさん雪だるま作るネ!」

「おう!」

わー!と雪だるまを作るべく雪が積もっているところに向かう私と神楽ちゃん。


「あはは…名前さんも神楽ちゃんと合わせてるんですかね」

「アレは単純に喜んでやってるな。ったく…俺と名前が歳が近いとは思わねェよな…」

「銀さーん!新八くーん!早く早く!」

「ほら男子ー!見てないでやるアルー!」

少し遠くで雪を集めている2人。コイコイと手を仰いている。

「行きますか、銀さん」

「行くか、新八」

2人の元に駆け寄る銀時の新八。
このあと雪だるまを作ったり、お城を作ったりと楽しんでいたが、銀時と神楽はとあるものを作っていた。

「銀さん、神楽ちゃん何作って」

「…何って」

「これアル」

「「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲」アル」

「完成度たけぇなオイ!」

「何知ってんの?」

「…ゆ、有名だからね…」

「……またこれですか。ってか名前さん知ってるんですか、有名なんですかこれ」

はぁ、とため息をつく新八くんと、完成したそれを見て言わなければと言ってしまった一言。実物を見ると中々に圧迫感というか、中々に…。神楽ちゃんがまた作ろうとしていて何個作る気なんだと思ってしまった。







雪遊びをしていると夕方になってしまった。長く遊びすぎて明日筋肉痛になりそうだな、なんて思ってしまった。

「はー!楽しかったアル!」

「はは…そうだね」

「名前は?楽しかったアルカ?」

夕方に染められた空と私を見る神楽ちゃんの大きな瞳。

「うん、楽しかったよ!また遊んで、神楽ちゃん」

「勿論ネ!」

神楽ちゃんは目を輝かせながら私に言った。
まだ少し寒くて、はー…と息を吐くと、頭をポンと撫でられた。撫でられた方向を見ると銀さんがそばにいた。

「お前も寒いなら早く言えよな」

「寒くないよ?」

「ほっぺ冷てェよ」

頭をから頬に移る手を私は少しドキドキしながら銀さんを見ていた。

「…はは、赤くなってる」

「違うよ…夕日だよ」

「そーかい」

この人に、こんなにドキドキされられてて。銀さんは私にドキドキしてるのかな…。
夕日がじんわりと雪景色と銀さんの髪がキラキラと光る。




-雪を欺く-
(雪と見間違うほど、きわめて白いさま)







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