今日は銀さんと万事屋にてお酒を飲む日です。もう一度言います、成人済みのいい大人の男女がひとつ屋根の下、夜に酒を飲む日です。意味わかりますか、そう、それはすけべイベント発生するかもしれないんです!待って違うから、そんな期待してるわけじゃないから、違うんだからね!う…なんか考えすぎて気持ち悪い。

「…うぉおう……」

ど、どうしようー!なんで!私は!勝負下着なんて付けてきてるのよ!バカ!いや、あるかもしれない、でもそんな!

「期待してる、みたいじゃない」


「何どうした?」

「びゃぁおう!」

「すげぇ声だぞ」

へらへらと笑う銀さんとドキドキしながらその顔を盗み見る。はぁ…私だけが緊張してるのかな…。
今は大江戸スーパーで今日の夜ご飯で食べるものを買っている。銀さんがぽいぽいとカゴに入れるのはいちご牛乳やおつまみ、乾きもの、焼き鳥など入れる。銀さんは久々だから料理もいいけど出来合いのもので食べようとのことで食べるおつまみを選んでいる。チョイスが銀さんぽくて笑ってしまう。
私もどうしようと考えていると、銀さんがコンコンと咳をしていた。

「銀さん、風邪…?大丈夫?」

「あー…多分?」

「多分って何よ、平気?」

「ヘーキヘーキ!だってよォ」

こそこそと私の耳元に来て話す銀さんに私は耳を傾ける。

「今夜、名前と久々の2人だぜ?意味、わかるよな?」

「…………銀さん…」

「あーたのしみだなー」

私を置いてレジの方へ向かう銀さんとその言葉を理解するのに約5秒。

「あ、あ…あ!」

夜が楽しみって、まさか、まさか!
忘れていたことを思い出させないでよ、この天パ!と思い銀さんの背中をバシッと叩く。
……やっぱり勝負下着、つけてきてよかった。
名前を呼ぶ銀さんの声で我に戻りレジに進む。今夜緊張してしまう。










「ぷはぁあ!うまいー!」

「お、おい飲み過ぎじゃね…?」

「なによぉ!ぎんさんが、呑めって言ったじゃない!」

「俺言ってねェって!」

バクバク焼き鳥を食べながら日本酒は進む進む、しかもこの日本酒、銀さんが依頼先のお宅からもらってきた結構高いものらしい。神楽ちゃんや新八くんは呑めないからとお登勢さんにあげようとしたらしいが(銀さん本人は抵抗した)お登勢さんが「名前と呑めばいいんじゃないかい?」と提案してくれたらしく今こうなっている。
そして夜、今から起こるであろうソレにも頭がいっぱいで酒を煽って心を軽くしたいばかりに呑んでいる。

「ぷぁ…、ぎんさん…」

「んぁ、どーした」

「ぎんさんとね、きょう、えっちなことするんだろうなぁておもってさぁ、勝負下着つけてきたんだ!」

「しょ、しょ、はぁ!?」

銀さんは飲んでいた日本酒をマンガのようにぶー!と吐き出して私を見た。どうせ酒の勢いだとぺらぺら口が動く。

「ぎんさんがね、よろこぶかなってその前ネットでポチった」

「名前さん…?キャラ違くありませんかァ…?」

「だって…」

「だって?」

「夜に、呑むってことは、そうなるかもって…」

「…はー…」

銀さんはため息をつくと立ち上がり私のを抱きしめた。ドキドキと心臓が痛い。
私をぎゅっと抱きしめた後ひょいと持ち上げ寝室へと運ぶ。

「え、あ、ぎん、さん!」

「名前」

「あ、はい…」

私を銀さんの布団へ下ろした後私の目を見て名前を呼ばれた。

「今から、抱くから」

ずくりと背筋に甘ったるい刺激が走る。あぁ、今夜この目に、この人に抱かれるんだと。




-一輪咲いても花は花-
(たとえ小さく目立たない存在でも、その存在自身には何ら変わりはないということ)





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