カタカタとパソコンの音が響く社内と電話の音が鳴る。江戸に行っていたのは夢?と疑問になるほど、いつも通りな毎日だった。
はぁ…とため息を吐くと、同期の子が「大丈夫?」なんて話しかけてきた。彼女とは仲が良く同期ってこともありいろいろ話していた。

「…ねぇ…お昼休みさ、相談乗ってくれない?」

「…うん、任せて」




お昼時のラウンジにたくさんの会話が流れる。ガヤガヤと私たちの会話も消されるようなBGMだ。私はお弁当を広げながら話す。

「…ねぇ、あのさ?」

「うん」

「…もう2度と会えないかもしれない人と恋に落ちたら、どうする?」

同期の彼女は目を大きく開けて驚いているようだったが、ふと切なこうな目線に変わり、こう言った。

「…どうって、私は会いに行くよ」

「…会いに…」

手元のスパゲティーをくるくる巻きながら、同期は目線を私から外しながら話した。

「…ねぇ、名前はさ驚くかもしれないけど、私…銀魂の世界に行ってたのよ。頭おかしいでしょ?でも行ってたのは事実なの」

「…え…」

この同期とは、いわゆるアニメで盛り上がるような同期だった。そして共通の話は銀魂の話でかなり盛り上がったのは今は懐かしい話だ。

「……私は神威に会いたくて願ったら突然いけたの。そのあとは大変だったけど、楽しかったよ。それで向こうで過ごしてさ…私は別れを選んだ。だから、今後悔してる。でも彼も、同じように別れがあるから強くなれると思ってる…だから、私はその想いに答えるべくここにいるって……。変でしょー!忘れて!」

同期は笑いながらスパゲティーを食べている。まって、まって…?

「ねぇ…」

「うん?どうしたー?」

「わ、私も!行ってたの!」

「え、どこに」

「私も、銀魂の世界に!」

「…え、ええええ!?」

同期の声が食堂のラウンジに響き渡る。一瞬私たちの方を見るが、関係ない為自分たちの会話を楽しむ。

「ちょ、どう言う意味!?」

「あのさ、この前もこもこパジャマくれたじゃん?その時にこう、なんか、気づいたら向こうに行ってたわけ…」

「…あれ、私以外も使えたんだ…」

「あれって?」

同期は、私に話してくれたがあのパジャマは江戸ではない星で作られた特製品らしく、神威と共に星を巡っていた同期がたまたま手に入れたらしい。それを私に面白半分でプレゼントしてくれ、そして私がたまたまの拍子で使ってトリップしたと言うことだった。

「私は、向こうへ行った…行き方は違えど、帰り方はそのパジャマを着て帰ってきたの。来る時に持ち物を持ってくれたなら、帰る時も持ち物を持っていけるだろうって安易な考えでやったら持ってこれてさ。たまたまだろう、なんて思ってたからあのパジャマ、名前にあげちゃったよ…」

「そう、なの…」

だから私はこちらに来れたのか…。いろいろ考えていると、同期が「名前はどこに行ってたの?」なんで聞いてきたら、ことの発端や帰ってきたことなどいろいろなことを言った。

「…そっか…」

「うん…」

「そしたら、名前は会うべきだよ!」

「…でも…」

「でもじゃないよ、名前のそんな顔、見たくないよ」

彼女は切なそうに私を見つめた。私は俯き、そんな資格あるのかなと自負の念に押しつぶされそうだった。私は彼らに合わせる顔がない、だって勝手にいなくなったのだから。








「よし…!」

万事屋の寝室にパジャマを着た銀時、神楽、新八の目の前に布団が3組。

「…いくぞ!」

「「おう!」」

そして布団に入り、向こうに行きたい、名前に会いたい!と願って目を瞑った。3人をクラリと気持ち悪い感じが3人を襲った。


-遠きに行くは必ず近きよりす-
(物事を行う場合は、順序を踏んで着実に進めなければならないということ)







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