真冬が到来し、冬の風が身に染みる今日この頃。もう年末まで数日だとお団子屋のカレンダーで知った。早いものだ、今年は目まぐるしくすぐ毎日が過ぎた。

今日は仕事終わりに沖田さんをはじめとする真選組の皆さんと食事会だ。と言っても堅苦しいのは好きじゃないから、といい大衆居酒屋で忘年会ということで集まってくれるらしい。
ここまで真選組の人たちと関わることがなかったから楽しみだ。
一応銀さんにも言ったところ「仲良くなるならいいんじゃねぇの?あんまり飲みすぎるなよ」と言われた。
今日の夜が楽しみだ、と考えていると「名前ー!」と呼ばれた。

「あれ、神楽ちゃん!それに新八くんも、いらっしゃいませ」

「あの名前さん、ご相談があってきました」

「相談?」

新八くんと神楽ちゃんにお団子とお茶を出すと新八くんが話し始めた。
ここ最近というか前から銀さんは酒癖が悪く、呑んで周りに迷惑をかけて次の日記憶がないというパターンらしく、どうにかできないかとみんなで考えていたところ、一夜のワンナイトドリームという、いわば"酔った勢いでヤっちゃいました"という設定で懲らしめたい、とのこと。

「…で、一応名前さんにも、言っておこうと思いまして…」

「そうなんだね…」

この話も結末がわかるがまぁ可哀想であった。しかし本人が悪いことには変わりないのだ。

「うん、大丈夫だよ。懲らしめて来てね」

「え!平気なんですか!?」

「平気って…だって直して欲しいからやるんだよね?」

「そうですけど…」

「なら私に遠慮しないでコテンパンにすればいいよ」

「名前さん…ならやります!」

「頑張ってね!あとで録画したやつ見せてね!」

「わかったアル!ダビングするネ!」

そういい意気揚々と出かけていった。この話もすごいんだよね…とはさすがにいえなかったが、すこしモヤッとしたことは確かだ。
大丈夫、大丈夫だから。そんな思いを胸にしまって今夜の真選組のみなさんとご飯会を楽しみに仕事をしていた。







沖田さんに団子屋で待ってろと言われて、仕事終わりに待っていると、新人、と声をかけられた。

「沖田さん、それに皆さんも。今夜はお誘いをありがとうございます」

「苗字さん、無理矢理総悟が言い出したんだろ、すまねぇな」

「い、いえ!そんなことはないですよ、土方さん」

「苗字さん、今夜は楽しみましょうね!」

近藤さんと土方さん、沖田さんに山崎さんと言うメンバーだ。近藤さんはニコニコしながら居酒屋へ入った。

席に着くと私は何飲みますか?と隣の山崎さんに聞いた。

「え!俺はね、えーとビールで」

「はい、わかりました。皆さんはどうされますか?」

「俺もビールで」
「俺もビールかなぁ!」
「俺は梅酒で」

「…待ってください沖田さん」

「なんでィ」

「あなた一応未成年ですよね?」

「…すいやせーん!ビール3つと梅酒2つー!」

そう店員さんに向けて叫ぶとはいよ!と注文を承った。待て待て待て!

「沖田さん!だめですよ!」

「うるせェ、新人は空気も読めねぇ新人かィ」

「え!これ空気読むんですか?沖田さんが読む番じゃないんですか?」

「…おいその減らず口縫ってやろうか」

「なみ縫いなら私の方が得意です」

そう話していると、近藤さんが笑い始めた。それに土方さんも。
わけがわからず混乱していると、土方さんが「あんたそんなこと言うんだな」と言われた。…確かにいつもなら怖いと思う沖田さんだが、この面々に囲まれると弟感を否めなくてつい言ってしまった。

「お待たせしましたー」

そういい店員さんがお酒を持って来てくれた。

「今夜は無礼講ってもんだ」

「んじゃあかんぱーい!」

「かんぱーい!」

そうグラスをカキン、と鳴らして酒を飲んだ。楽しい忘年会の始まりだ。



-酒は百薬の長-
(酒はほどよく飲めばどんな薬より効果があるということ)









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