銀さんと付き合った。あの憧れであり、誰のものにもならない彼と私が。大丈夫だろうか、私の存在は、迷惑じゃないかと考えてしまう。すこし、考えてしまった。そんな考えをもちながら万事屋へ遊びにきています。なんでも銀さんが「一緒に飯食おう」と言ってくれた。

「銀さーん」

「おー、名前」

「今日ご飯食べるってどこで食べるの?」

「ファミレスでもいい?」

「うん!もちろん」

万事屋へ行き銀さんと一緒に近くのファミリーレストランへ向かう。
隣を歩く銀さんと私。会話は仕事のことや新八くん、神楽ちゃんのこと。たまに笑い合い、会話する。いつもと変わらないことだ。

ファミリーレストランにつき、私はハンバーグ、銀さんは目玉焼きハンバーグを頼んだ。
こんな、些細なこと。それでも私の知らない銀さんを知れて嬉しい。それでも心の底辺にはどろりと感情が溜まる。

ご飯を食べた後、万事屋へ戻り適当に過ごすこととなった。なんか、銀さんらしい行動だなと笑ってしまった。そんなことを考えていると「何笑ってんだよー」とこづかれた。

「だって、なんかゆっくりして楽しいなって」

「…やっとちゃんと笑ったな」

「え…」

「あった時からよ、こう、表情固くてよ。楽しくないんかなって」

「そんなことないよ!」

「…なんか考えてるだろ」

「……考えてないよ…?」

「迷惑かけるとか、考えてた?」

私が座ってる隣に移動して私の顔を覗き込む。

「そんな…」

「なぁ、付き合うなら不安なこととか全部吐いちゃえよ。俺はそっちの方が名前のこと全部知れて嬉しいからよ」

「………銀さん…あのね、銀さんは誰のものにもならない存在なのに、私なんかと付き合って平気なのかなって…」

「はー?誰のものって今は名前のモンだからな?それと私なんかって言うんじゃねーよ。逆に名前は俺に、"俺なんかと付き合っていいの?"て聞いたらどう返事する?」

「そんなことないよ!銀さんは俺なんかって、私は銀さんだからいいんだよ、銀さんだから、…すき、なんだよ…」

「そういうことだ。俺も名前だからいいんだよ」

「銀さん…」

「あとは?なんかあんなら全部言え」

「……私なんかと付き合って、その、迷惑じゃない?」

「迷惑じゃねーから。その、名前の事想いあったらつーか…だから…付き合ってんの。分かれよコノヤロー…」

「……ふふ、銀さん、ありがとう」

私の不安を全部拭ってくれる銀さん。この人と付き合って良かった。
私はソファーに置いてある手を握る。

「ありがとうね、銀さん」

「おう」

手を握ると握り返してくる。彼を見ると少し照れてるのかな、と探ってしまう。
私、良かった。








銀さんと一緒にいるとすぐ時間が経ってしまう。もう夕方なのでアパートへ帰ると伝えると送ってくわと言われた。
その道中真選組の沖田くんとあった。

「あり、旦那と新人じゃねーですかィ」

「あ、沖田くん」

「総一郎くんじゃん」

「総悟です旦那。なんか2人とも付き合いたてのカップルみてーで気持ち悪りぃですぜ」

「そーだよ?付き合ってんだから当たり前だろ」

「は?」

「ぎ、銀さんっ」

沖田くんは銀さんの言葉を信じられないのか手を丸くして私たちを見ていた。
その反面銀さんはしらーと普通の顔をしていた。

「旦那が?この新人と?」

「新人って…ちゃんと名前って名前があんだからそう呼べよ」

「え。あのっ」

「ほら名前いくぞ」

「え、うん、あの沖田さん失礼します!」

銀さんに手を引かれてアパートへ帰る私。沖田さんに言って平気だったのかな。




1人残された沖田。その目線は銀時に手を引かれながら歩く名前が目に入った。

「付き合ってるって…」

沖田は少し、目線を下に向け切なそうな顔をした。




-相惚れ自惚れ片惚れ岡惚れ-
(人が何かまたは誰かを好きになるのは、それぞれ様々であること)







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