ここ最近江戸も暑くなってきた。私がこちらの世界へ来てから早5ヶ月を経とうとしていた。まだ帰れる兆しはないがこれはこれで楽しい。元の世界の私はどうなっているかわからないけど、少し心残りがある。
仕事終わりにたまに路地裏に行ったりしてるがそれでも帰れる兆しは見れない。
それでも日々動く。もう夏だ。


「夏祭り?」

「こちとらは護衛や見回りとかで祭りなんか好きじゃないんですがね」

「そうですか…」

「旦那でも誘ったらどうですかィ?」

「旦那って…銀さんですか?」

「なんだかんだで仲良いじゃないですかィ」

「仲良しって…そんなことはないと思いますよ?銀さんはたまたま優しくしてくれるだけだ思います」

「へぇー」

もっちゃもっちゃとみたらし団子を食べながら私と話す沖田さん。見回り中に味見と称してたまにお団子屋さんへ来る。女将さんは「真選組が来てるとお客さんも安心するのよねー」なんて言っていた。

「夏祭りかぁ…」

昔母と父に近所のお祭りに連れて行ってもらった。懐かしい記憶。手を繋いでかわいい浴衣を着て、腕には金魚とヨーヨー水風船を持って、来ていたなぁなんて。

元気、かな…

「…どうしたんでィ、そんな顔…」

そんな言葉を呟いた沖田さんを私は知らない。






「ってことで夏祭り行かないですか?」

「夏祭りですか?いいですね!」

「夏祭りならりんごあめと焼きそばとえっとそれから、たくさん食べるネ!」

「そしたらたくさん買って食べよ」

わいわいと神楽ちゃんと新八くんと話していると「名前ー」と銀さんに呼ばれた。

「なに?どうしたの銀さん」

「夏祭り江戸では初めてだろ?浴衣とか揃えとけよ」

「うん!勿論!」

浴衣か、それと髪飾りとかわいいサンダル、それに巾着も買わなきゃ!………仕事頑張ろう。

「名前も浴衣着るアルか?」

「勿論、神楽ちゃんも?」

「アネゴに着せてもらおうって考えてるネ!名前も一緒に行こう?」

「いいのかな…じゃあ、あとで連絡しておくね」

「ヒャッホー!楽しみネ!」

わいわいとはしゃぐ神楽ちゃん。私も嬉しくなる。早く来ないかな夏祭り。








「久々だな江戸は」

「そうっスね!」

「デカイ花火が上がるんだとよ。挨拶しなきゃ、なぁ?銀時」

「晋助、最近白夜叉の周りに1人気になる人物がいるでござる。苗字名前。最近江戸に来たと言う女だが、素性や過去のことは全くなく"突然現れた"と言っても過言ではない人物でござる」

「何を隠してやがる、この女」

そういい高杉晋助は名前の写真をじっとみた。写真の中の名前は銀時に微笑んでいる。



-歩く足には棒当たる-
(外出したり活躍したりすれば、それだけ災いや障害につき当たる率も多いが反面では意外の幸せをつかむことも多いというもの。)





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