長編:doting on love | ナノ

01 昨日と同じ今朝


朝7時。
ピピピッピピピッと聞き慣れたアラームが部屋に鳴り響く。

むくりと布団から起き上がれば、カーテンから差し込む陽の光がやけに眩しく見えた。

まだ眠い身体を起こしながら洗面所で顔を洗い、
台所で慣れた手付きで朝食のスムージーを作る作業に取り掛かる。


――これが、毎朝のルーティンだ。


バナナ、
ほうれん草、
アボカド、
リンゴ、
それに氷と牛乳を入れて。


「今日の予定は…っと、」



左手で社用携帯を開き、今日のスケジュールを確認する。



「“今年大活躍の予感!今話題のスポーツ選手”、か」


11時から取材、
14時から会社のミーティング、あとの残り時間は作業時間が取れそうだな。


「先月はサッカー選手だったっけ。今月は……」


…そうか。

確か、今月だったな。
あの子を取材するのは。


少し早くなる鼓動を抑えて、一日のスケジュールを頭の中で組み立てながら社用携帯を閉じた。

そして、残ったスムージーを一気に飲み干した。


テレビから聞こえるアナウンサーの朝の声を聴きながら、メイクを施しオフィスカジュアルに着替える。

カツカツッとヒールの音を鳴らしながら、私は会社へ向かった。





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