(春子視点)
私たちがマネージャーをすると決まるとすぐに、自己紹介よろしくね、と笑顔のまま幸村精市が言った。
あ、なんだかあの笑顔癪に触るわ。
私、絶対に幸村精市と馬が合う気がしないのよね……。
奈緒「じゃあ、ウチからねー!ウチは高倉奈緒でーす!テニスのルールとかはあんまりよく分かんないけど、やる気だけはあるからよろしく!」
奈緒にしては、まともな挨拶じゃない。
この子も、やれば出来る子なのね。
陽子「あたしは末岡陽子。好きなものは七瀬全般。嫌いなものは幸村全般。頑張るんで、よろしくな!」
幸村「ふふ、随分と嫌われたものだね。まぁ、いいか。七瀬をそんなに好いてくれるなんて、俺も嬉しいよ」
なんなのよ、この余裕……!
ちょっと感心しちゃうじゃない。
陽子と幸村精市の間に瞬く間に火花が飛び散る。
絶対この二人、トラブルの元になるわよ……。
絵里「私は相沢絵里です。精いっぱい頑張るので、よろしくお願いします!あ、あと七瀬はあげないからね?幸村くん」
幸村「あれ、みんな俺に風当たり強くない?」
仁王「みんな、七瀬が大好きなんじゃ。幸村にとっては嬉しいことじゃろ?」
あれ、絵里が黒い……!?
ちょっと、黒いのはあたしの専売特許よ!
にしても、本当に幸村精市に風当たり強いわね。
良い気味だわ。
春子「西尾春子よ。私がマネージャーになったからには、ビシバシ行くわよ!よろしくね」
幸村「じゃあ、次は七瀬ね」
七瀬「矢野七瀬。頑張るからよろしく」
幸村「えー?七瀬それだけ!?好きなタイプは?スリーサイズは?」
陽子「コイツ、コロス!」
奈緒「七瀬はし」
絵里「奈緒、言っちゃダメー!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ四人。
なんなのよ、この変態。
陽子が怒り過ぎて、カタコトになってるじゃない。
柳「俺が見たところ、スリーサイズは……」
春子「アンタも言わなくて良いから!」
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