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(奈緒視点)



ウチと陽子は氷帝にサポートに来ています!
部外者だし、お望みの春子じゃないから冷遇されるのかなぁ、なんて思っていたけど案外そうでもなく普通に優しいのに驚いている。


まぁ、部長の跡部くんの春子と会話する男を見る視線にはヒヤヒヤさせられるけどね。
その内、跡部くんの目からビームが拝めるんじゃないかと少し期待していることは誰にも秘密だ。


ちなみに今はある程度仕事が片付いて、ウチも陽子も球拾いをしている。



奈緒「ねぇねぇ、陽子っぴ。ヒマだねぇ」


陽子「なんだよ、その気持ちわりぃ呼び方……。確かに仕事は一段落して手持ち無沙汰だよなぁ」



陽子もやっぱりヒマらしく、のんびりとした声で答えた。


眩しい日差しが降り注ぐ午前11時45分。
日差しは熱いけど、時折吹く風が心地良い。
今日はきっと最高のスポーツ日和だ。



奈緒「……なんだか、平和だなぁ」


陽子「まぁ、今はな」


忍足「今はのんびりしてるけど、午後は一波乱あるかもしれへんで?」



予想外の声にウチだけじゃなく陽子も驚いている。
忍足くんの声はなんだか心臓に悪い気がする。


っていうか、一波乱か……。
確かに、跡部くんの視線は冷凍ビームなみに冷たい、もはや絶対零度だ。
今は平和だけど、それもありえなくもない気がする。



陽子「ありえねぇこともねぇかもな」


奈緒「そうならなきゃ一番良いけどね」


忍足「でも、うちの部長様がアレやからなんとも分からんで?」



忍足くんの言葉にウチはどうやら不安そうな顔をしたらしい。
陽子が、奈緒を不安にさせることを言うなと忍足くんを咎める声がする。



忍足「あー、堪忍な」



そう言って頭をポンポンと撫でてくる忍足くん。
……この人、こうやって女の子を勘違いさせるタイプだろうな。
忍足くんって、めちゃくちゃモテてそう。


ウチがそう思ったところで笛の音が鳴る。
今日、タイムキーパーをしている絵里が吹いたようだ。
ゆっきーと跡部くんがそれぞれのコートで昼休憩を言い渡すのが聞こえた。
午後の練習試合はどうなることやら……。




 






 
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