さあ、うたおう
ユキとキラその後
お好きです? 10

膝の上で踊る愛しいヒトが蕩けた瞳でぼくを見る。
悩ましい声音にぼくの名が乗ったのが嬉しくて、更に奥へと腰を突き上げた。

「っアは! ン、んっ! っく、イイっ!」

ソファの上での少し無理な体勢でのセックス。
そんなの何の問題もないと言わんばかりに乱れる様に引きずられてしまう。
自分のペニスを掴んだままなのに、気づいてるんだろうか。
先端からこぼれた蜜が茎を伝わって、その手を濡らしていた。

黒い学生服と日に晒されることのない白い腹とのくっきりとした境界線が、アキラさんの動きに合わせて上下に揺らめく。
裾が少し汚れてしまっているのが卑猥だ。

綺麗な鎖骨は学ランで見えないのが残念だけど。
詰襟の隙間からのぞく力の入った喉から、繋がるその部分がくっきりと浮かび上がっているのが容易く脳裏に描ける。

思わず舌なめずりをすると、アキラさんに見つかってしまった。

ばちりとかち合った光が、ニタリと細められる。
ぼくも負けじと微笑んでアキラさんの好きなところを狙えば、一際大きな歓喜の声が上がった。

「み、っき! ン! ンふっ! ア!」

「愛してます」

「っア、 アア! ン!」

ありったけの気持ちを込めて。
今も、昔も、これからも、ぼくが一番あなたを愛してる。
全部、全部、愛してる。


「ん、ア! ア! い、く! っく!」

「アキラさんっ」

「っあ、ぁ────…………!!」


ぽた。

ぽた。


黒い布に、アキラさんの吐き出したものが白く映える。


「愛してます」

「ン」


くたりと凭れる体を抱きしめて瞼にキスすれば、花びらのような唇がふわりと綻ぶ。
誘われてその花弁に口付ければ、つんと尖った感触がまたぼくを喜ばせた。







「コスプレ、お嫌いですか?」

「……別に」

「お好きです?」

「別に! 好きじゃねえし」

「またしましょうね」

「……シネエよ」




―お好きです? 終―


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