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せりを遠くから見守ると決めていても、やはり傍に居れば欲しくなる。

激情を抑えた胸が、燻って疼くんだ。


だから――。

もっと触れたくなるから、せりを拒む。

せりが遠ざかるのが嫌だから、気を引きたくなる。


堂々巡り。


だったら執着を見せなければいい。

だらだらだと思わせておけ。


そう思えど、そんなオレの葛藤を知らずして、あまりに"だらだら"だの"何処吹く風"だの"面倒臭がり"だの言うから。


――オレの性格は後天性だ。


必要があったからそうしただけだと、オレがどう言おうと、誰も信じない。


判っているのは蓮や旭くらいだろう。


司狼はどうだか判らない。

司狼こそ、だらだらしてやる気ないのに、


――それは主の久遠を見習っているからだよ。


せりの言葉に誰もが頷いている。


オレをよく知るはずの蓮と旭まで頷いた。


――レグが生きていた頃は、ここまで酷いだらだらでなかったし。もっと働いていたし。今四六時中久遠と共にいるから、久遠のだらだらが移っちゃったんだよ。


オレは…保菌者か!!!


せりの言葉に、蓮と旭は益々深く頷いていて。

………。


もういい。

オレはだらだらで。


考えるのすら面倒臭い。





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