*願い子
―時々、わからなくなるんだ―
「七夕、か。」
この世界にやってきて、わからなくなる。
「願い事かぁ―」
何か大切なことを忘れているような。
願い、という言葉が胸に引っ掛かるこのもやもやした気持ち。
「んあ〜っ考えてもわかんねぇ!!!!」
自棄になり寝転がれば剣の軽い音と、眼前の果なく吸い込まれそうな黒い空。魂のような輝きが視界に入る度に、胸が痛くなるのは何故か。
―思い出せそうなこの風景―
「何やってんだ?」
「親父!?」
覗きこんできたのは仲間ではなく、仲の悪い肉親で。自然と不機嫌になる自分。
「何だよ。」
「見覚えあるガキ見つけたからきたんだよ。わりぃか?」
「ガキじゃねぇよ・・・」
覇気のない息子に何を感じたのか。眉を寄せると座り込んだ。
互いに何も言わない微妙な空気。口を開いたのはジェクトだった。
「今日は七夕だってな。」
「あぁ。」
「願い事、決まったのか?」
「そんなガキっぽいことするかよ。」
「ガキのくせによ。」
「だからガキじゃねぇ。」
親子"らしい"会話は親なりの気遣いか。
「まぁ、アレだ。今を楽しんでおこうや。元の世界になにがあったかなんてこの俺ですら覚えちゃいねぇ。」
「・・・・・」
「だったらそれでいいじゃねぇか。仲間とまたワイワイやってろ。」
「・・・・・オレの考えなんてお見通しかよ。」
「俺は天才だからな。」
「言ってろ。」
やっとティーダに笑顔が浮かび体を起こした。ジェクトはそれを見て軽く笑うと、
「それでもまだ悩むなら、背、今だけ貸してやる。」
「いい。もう吹っ切った。」
「ならいいわ。」
大剣を杖代わりに立ち上がると、振り返りもせず一言。
「いつでも相手になるぜ。ま、どこまで俺についてこれるかわかんねぇけどな。」
「勝ってやる。絶対勝ってやるからな!!」
「・・・・・その意気だな。」
巨大な剣を見つめてしばらく、そのまま歩き去ってしまった。
―願わくは、残酷な真実が僅かでも希望を残しますように―
++++
親子でシリアス一回書いてみたかったんだ!満足した(´∀`*)
]やったの確か五年前くらいだから親父さんの口調うろ覚え・・・・・エンディング二回中二回泣いたのに・・・・・
DFFでもザナルカンドのステージだけで泣きそうに
なるのに、ティーダvsジェクトにしたら死にそうになる(´;ω;`)幻光虫綺麗だよ幻光虫!(これ以上は長くなる!)
昨日思わず爆睡してしまって七夕遅刻更新(--;)
09.7.8
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[mokuji]
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