えふえふ | ナノ



*小さな悩み

※マキナ♀化
※乙女注意

「はあ…」

小さな悩みと大きな悩み。今マキナは両方の悩みに頭を抱えていた。
朝、偶然見てしまったのだ。彼が、他クラスの女子から告白されているところを。
見間違いでなければ、相手の女子は『彼女にしたいランキング』で常に上位を納めている人に間違いない。
告白されたこともあるため、見劣りしていないのだろうが、この敗北感はなんだろう。きっと、"彼"に選ばれるであろう、彼女を羨んでのこと。

(…胸が、悪いのか……?)

最大の悩み。それは小さい胸のこと。零組のメンバーが大きいこともある。だからこそ貧相な体は浮いてしまい、悲しさだけが膨れ上がるのだ。
まず手を添えてみる。丸みは辛うじて、いや意識しないと柔らかささえ感じないことが涙をそそる。溜め息は止まらない。

「自分のとはいえ、体を弄ぶのは感心しないな。」

いきなり、しかも正面から聞こえた言葉に、体が過剰に反応し大袈裟に跳ねてしまった。視線を上げるのも怖い、だが勇気を振り絞って顔を上げると、苦笑いしたエースがいた。

「な、なんだよ……」

「ここは年頃の男が多い。気をつけろよ。」

「…何を…」

微かに弾む息を整えながら、隣に座るものだから思わず体を引いた。決して場所を開けたわけではない、体が勝手になのは否定しないが。

「襲われるのは嫌だろう?」

「有り得ない。レムじゃあるまいし。」

「バカ言うな。」

突然手首を襲う痛み。抵抗する時間など一瞬で消え去り、逃げ場は元々ベンチに塞がれている。
エースの顔が見える。逆光を浴び影のかかる様は、言い知れぬ恐怖と新たな魅力を生み出す。ドキドキが止まらない。

「首、細いな……」

「あ…っ」

弱いところに荒い息がかかり、声が漏れた。恥ずかしい、恥ずかしいのに体も口も固まったままだ。

「っ!」

顔を照らし始めた日光に去りゆく温もり。解放された体から力が抜けつつ、なにか物足りなさを感じてしまう。恨めしそうにエースを見るが、もう綺麗な青は見れなかった。

「エース…?」

「とにかく、気をつけろっ!」

走り出した彼の後ろ姿を、追う勇気はなかった。

++++
ちょっとからかう+触れたかっただけなのに、本気になりかけたエースさん
お互い真っ赤

11.12.13

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