えふえふ | ナノ



*不明

※ネタいただきました

「エイトって、足速いよね〜。」

単に、羨ましがってのことだと思った。
シンクが報告書を手伝ってくれ、なんて涙目で頼むものだから居残っている放課後16時。すっかり日も傾き、西日が机に反射して、少々眩しい。
あと少しで終わる…というのに、シンクは飽きてしまったのだろう。手ではなく口を動かそうと期待の眼差しも眩しくなってきた。

「武器を持たないからな。」

「でもでもぉ、殆ど何も持ってないようなエースより速いじゃーん?」

確かに、ケイトに劣るとはいえエースも速い。運動神経や得意不得意があるとエイトは考えたのだが、シンクは違ったようだ。

「わかったぁ!…小さいからだぁ。」

ピタリ、とエイトの時が止まった。
逆鱗に触れてしまったのか、いや確実にそうであろう。鋭くなった眼光がシンクを射抜くのだが、シンクは逆に上機嫌。

「そっかあ、小さいからその分軽くなって速く走れるのかぁ!」

「シンク。手を動かせ。」

「なになに?気にしてるのぉ?」


気にしているわけではなくとも、腹は立つ。でもシンクは面白い玩具を見つけた、とニヤケっぱなしである。

「やっぱり男子は小さいと不便〜?カッコイイ人って背が高いしね〜。」

からかって何が楽しいのかはわからない。だが止めない、ということは彼女にとって面白いことがあるのだろう。

「トレイと比べてたら差がありすぎだもんねぇ〜?」

これにはカチンときた。人と比べられ「小さい」と言われることはもうなれたのだが、知人と比べられると面白くない。ましては。

「小さくても、力はある。」

「えー。私に勝てると思ってるのぉ?」

「それに、お前の目が真っ直ぐ見れたら十分だ。」

狙ってはいない、いきなりの不意打ち。

「ああ、うん。力はあるねぇ。」

「だろ。」

「そっちじゃなくてぇ。」

身長が伸びることは、彼が自覚する頃であるだろう。いつになるか、いや一生このままか、多分このままわからない。

+++++
たつ様からネタをいただいた「85:「小さいね、とからかわれ、無視しながらストレスをためるエイト遂に爆発」でした。
…うまく消化出来てるのか不安です。いやあノマカプもたまには楽しい。

12.6.12

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