えふえふ | ナノ






「なるほど。エースがウザくて任務どころではない、と。」

何をどう説明したかは以下略。とりあえずこのカオスな状況を理解してくれるトレイは相当すごいと思われます。

「最近のトレイは口が悪いよな。」

「こうでもしないと、エースと付き合っていけない、いや近くにいることも困難だと悟ったのです。」

エースとは一体なんなのでしょうか。
トレイやエイトは勿論、管理人も絶賛ゲシュタルト崩壊中でございます。

「しかし、これ以上零組の男は全員電波だ、と言われるのは我慢なりませんね。」

「そんなことを言われていたのか!?」

「…謝罪と撤回を要求する。」

「少々エースの足止めをしてきます。」

男らしくトレイが歩み出た矢先、容赦なくエースののぞき穴に矢尻を突っ込んだ。これは痛い。

「目があ、目があ!!」

「早くでなさい。さもなくば毒瓶を浸して再び突き刺します。」

前言撤回。口が悪いのではありません、もうグレてます。敬語なだけ質の悪さも上がってるし。
で、数分後。

「…ごめんなさい…」

トレイの前で、正座したエース。腕を組み見下すトレイ。周囲の候補生たちは、この異質な状況すらスルーしている始末。どこまでこの状況になれてしまっているのか、一抹の不安を覚えます。

「トレイはどうするんだろうな…」

「さあ?全く想像がつかないが、その分期待は出来そう……」

「エース、貴方は呪われています。」

!?

「今日1日マキナをつけ回したりしたら、全身から血を流して死にます。」

きっと今までの輪廻での古傷が全て開いて死ぬ…ではなくて。

「そ、そんな…僕に生き残る術がないじゃないか!」

「だからマキナをつけ回さなければ」

「僕はマキナを視界に入れないと目から血が吹き出して死ぬんだ!」

なんという病気を持っているのでしょう。まさに病気、これは酷い、変態とかではない別の境地に迷い込んでしまった気しかしない。

「…ということは、エースの妨害は避けられない、と。」

「よし、ならばトレイに押し付け逃走しよう。」

思い立ったら吉日。厳しい任務には犠牲もつきものなのです。

キング と エイト は 逃げ出した! ▼



「そんなことをしている間に、マキナを見失ったな。」

「逃げるのは当たり前だろ。あんな騒ぎの中、エースの存在がバレてない方がおかしい。」

「逃げるが勝ち」は誰にでもあれことですね、わかります。

「今更だけどさ、これで報告書は書けるのか不安になってきた。」

「いざとなったらでっち上げも致し方なし。」

マザーの頼みであるにも関わらず、二人はヤケクソになりつつあります。エース、恐ろしい子……

「…という冗談はおいておくぞ。流石にマザーの頼みをおざなりにすることは出来ない。」

「失敗は全てエ、…奴のせいにするから大丈夫だ、問題ない。」

ついには二人の間でも禁句に指定されたようです。哀れエース、お前は一体何者なんだ。

「…で、あとマキナがいそうなところは……」

「九割の確率で農場、残り一割の確率で墓地、かな。」

………

「キング。このストーカー…いやひっつき虫を早く根こそぎ駆除してくれ。」

「無理だ。勝てる気がしない。」

「いつもジリジリマキナの隣に這い寄る混沌、零組エースです。」

「本当に邪神っぽいぞお前!!」

これこそまさにカオス。

「で、何で来たんだ?」

「マキナと聞こえたので。」

「気持ち悪いな!」

どうやら今までの暴行がバレたわけではないが、とっても気持ち悪理由で尾行がバレてしまったことには嘆くしかない。

「で、マキナに何の用なんだ?返答次第もクソもなく、問答無用で切る。ただしカードで。」

「せめて問答はしろよ。」

「というかマキナ離れしろ。」

「僕に死ねと!?」

「マザーの元に通えよ!」

さすが邪神。SAN値直葬ってレベルじゃありません。

「エイト。時間を取りすぎたら厄介だ。さっさといくぞ。」

「どこへ行ってもコイツはひっついてくるぞ。」

「…あれ?」

聞き覚えはあるが、今ここにいるはずのない人物の声…顔など見なくとも、エースの態度でわかる。

「マ」「ッキナぁぁぁぁぁぁぁぁ!探しにきてくれt」

「うるさい、来るな、思い上がるな。」

マキナの中で一番攻撃力の一番高い攻撃力、命名マキナキックがエースの顔面へと食い込んだ。クリティカルが入りやすいこともあり、これは死んだかもしれない。

「…で。コイツを引き取る為に来てくれたのか?」

「「末永くお幸せに。」」

「綺麗にハモるな!ムーンウォークをするな!押しつけるな!」

ペットの世話は飼い主がって言いますし。

「でも一番エースの扱い方を知っているのはマキナでしょう。」

「じ、自覚はしてるけどさ……」

追撃しにきたトレイに諭され、苦い顔なような、微笑んでいるような、困っているような。微妙な表情はしているが、起き上がったエースを無碍に扱うことはなくなった。

「「「じゃ、あとは任せた。」」」

「…どう考えてもゴミを押しつけられてるだけだよ、な?」

…ゴミで収まるレベルじゃない気がします。




「で、貴方たち。どうしてこうなったのかしら?」

次の日。朝一番にマザーへ報告書提出。

「エ、奴がいなかったらまた内容は変わっていました。」

「そうでしょうねえ、それはわかるわ。」

「それしか書けなかったとも言う…」


「でもどうやったら効率のいい害虫方法が提出されるのか、すごく気になるのだけども。」

+END

++++
キリ番にオマケで『エーマキ:ギャグ(Aがキングとエイトを疲れさせる)』というものもあったので。

12.6.6

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