よんアザ | ナノ



*好きだから

「本っ当に君はデリカシーがない…」

「そういうべーやんは常識がないやないの。食べるもん考えてみいや!」

昨日も今日も、多分明日もだろう。このやりとりはきっと続く。

「君は対応がまるでなっていないんだ。
だからさくまさんにも嫌われる、のがわからないのかね?」

ため息をつきながら、冷ややかな目と声を向けてやれば、戻ってきたのは鋭い眼孔。おまけに縮まる距離。

「さくの話はすんなや。」

ドスを効かせた目が、上からベルゼブブを押さえつける。

「二人きりな時に、女の話すんな。」

(やれやれ…)

自らは目の前で女性に対するナンパもセクハラもするのに、恋人がやった瞬間にこれである。自分のことは棚に上げるクセに口と嫉妬は一人前、無意識にシーツを握りつぶした。

「アザゼル君。」

真っ直ぐ見つめた目は、逸らしたら負けだという考えてを彷彿とさせた。
動かない両者の目と、距離。無情に時だけが刻まれていく。
体がの距離が、縮まり一カ所が触れ合った。

「バカだな、君は。」

呆けた間抜け面を押し戻し悪戯に笑う。

「だから、君はデリカシーがない。
現に、今の状況から言えることだろう?」

「なんや、べーやんもヤりたかったんか。」

「なんでそうなるんですか。」

迫る肉体を押し返す力は弱く、顔からは笑顔が耐えない。
距離は縮った。

++++
オンリー(ry

11.10.26

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