*せい
※ちょっと危ない
最近の芥辺のマイブームは、こっそり生贄に異物を混入することらしい。昨日は異常なまでの砂糖、一昨日は塩、酷いときにはノリや殺虫剤など食用ではないものまで。あの時は正直死にかけた、いや悪魔でなければ死んでいた。
「あ…くだべ氏っ?」
この男はとんでもない暴挙に出やがった。
見えるは天井の木目、無表情な男の顔、背中に触れるわ柔らかいシーツ。
「これは効くな。」
「何を飲ませたのですッ!」
「媚薬。」
悪そびれもなくシャアシャアと言ってのける彼の姿に目眩と殺意を覚えた。しかし弁論したところで勝てる相手でもないし、今の状況は、非常にマズい。
体は動かないわ、少し動いただけでも身体は刺激を過剰なまでに拾ってくれる。有り難迷惑にも程がある。
「今までのものが効かなくて焦った。」
「なっ!!貴方という人はっ!」
一発殴ってやろうか、と反射で込めた力により、身体は彼の腕までも刺激だと認知する。身体が小さく跳ねた。
「口のわりに期待しているようだが?」
「これは、薬のせいですっ!」
「物欲しそうな顔をしているが?」
「こっこれも…薬のせいです!」
「抵抗しないな?」
「これは…貴方のせいです……」
口づけられた唇が熱いのも、この横暴な主人のせいにしておこう。
++++
裏って書こうとして書けるものじゃないとわかった
11.12.14
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