ゆぎお | ナノ



きっかけ作り


※アストラル人間転生
※女体化
※プチ男性向け
※遊馬とアストラルは同居してます


アストラルと出会ったのは、まだ人間じゃなかった頃。何をバカな事を、と思うかもしれない。だがアストラルと出会ったとき、彼は思念体と言われる存在だった。
いつも一緒で、共に命をかけた戦いだってした。触れることは出来なかったが、心では深く通じ合っていた。

そして今、遊馬は部屋のベッドの上で。
アストラルに押し倒されていた。

「あ、あアアアストラルッッ!!なにしてんだよ!!」

「君が喜ぶことだが。」

シャツのボタンを外し前を開くと、黒いレースのブラジャーに守られた小ぶりな胸が見える。アストラルが何食わぬ顔でホックに手を回した辺りで、遊馬は我に返った。

「ストップストップ!!」

出来るだけ見ないように、と手で視界を覆うがアストラルによって防がれてしまった。腕を掴まれて無理矢理開かされた視界に入ってきたのは、柔らかそうな膨らみ。思わず生唾を飲み込み仰視してしまう。

「ドスケベはドスケベらしく、やりたいようにすればいい。」

「ドスケベってなんだよ!お前が勝手にやってるんだろ!」

困ったように下がる眉に遊馬はギョッとした。今にも泣き出しそうな顔を見せられては、自分が悪いように思えてくる。

「嬉しく、ないのか?」

計算ずくの悪女のようではあるが、アストラルの性格上、これは天然である。質の悪いことに、本気だからいつも遊馬が折れざるをえないのだ。

「…う、嬉…しい、よ。」

「…ドスケベ。」

「う、うるさいなっ!!」

「フフっ、遊馬……」

半裸ですり寄ってくるアストラルに、遊馬の体は緊張で硬直した。柔らかい胸が押し付けられて顔も真っ赤。これも天然故の行動だから質が悪い。
アストラルは遊馬との接触を好む。手を繋ぎたがるわ、何かとすぐ抱きついてくるわ、いつも離れようとしない。最近は"色仕掛け"を覚え、遊馬を困惑させているのだ。

「遊馬が嬉しいなら、私も嬉しい。」

「アストラル、こういうのは、その、ちゃんと順序を踏んでから……」

「そんなことをしていては、他の女に取られてしまう。」

「俺はモテないって。」

「君の自覚がないだけだ。」

いつも一緒にいたため、アストラルは遊馬の人間性も人望も、人を引きつける力もよく知っている。小鳥やキャシー、アンナといった遊馬に想いを寄せる彼女たちをモヤモヤした感情と共に見つめているしか出来なかった。
でも、今は違う。人間として、女の体を持って転生したことは、変化への困惑より喜びが勝った。遊馬と一緒にいれること、遊馬への想いが叶ったこと。

「君が今回のテストで、70点以上取ることが出来れば、私の彼氏にしてやろう。」

「偉そうだな…」

「もしそれ以下なら、デュエル禁止だ。」

「うぇぇ!?死ぬって!」

「嫌なら、それこそ死ぬ気で勉強するんだな。」

からかっているのか、本気なのかはわからない。アストラルは楽しそうに笑う。

「そして100点を取れば…私の"初めて"をやろう。」

熱っぽく遊馬を見つめる金の目に、心臓が高鳴った。細い指が顎をなぞり、誘惑するように胸を寄せて谷間を誇示する。小さいながらも、白い無防備な胸が目の前にある。顔を真っ赤にし、存在感を放つ熱を抑えるのに必死だ。

「じ、冗談だよな…?」

「私は冗談が苦手だ。」

遊馬の唇をなぞる、細い指。ピンクに色づいたアストラルの唇が誘うように弧を描く。昔では考えられないほどの、穏やかな微笑みを浮かべると、頬に手を添えて綺麗な顔が近づいてくる。
唇を押し付けるだけの幼いキスは、徐々に深くなっていく。舌を差し出し、更なる接触を望むアストラル。乱暴に舌を捕らえる遊馬と、器用に舌を絡めるアストラル。ちゅっちゅっ、と満足するまで求め合うと銀の糸を残して離れた。

「アストラル…」

「ゆうま、」

アストラルの唇のように色づいた頬に、赤くなった目尻。うっすらと涙の浮かんだ目を、吸い込まれたように見つめる遊馬。

「君はせっかちだ…ご褒美の先払いは高くつくぞ……?」

「ドスケベは好きにしていいんだろ?」

「ふむ、利口になったな。」

アストラルの肩を掴み上下逆転すると、上着が落ち白い肌が露わになる。ブラジャーをずらして胸も露わにすると、ぷるん、と胸が小さく揺れた。
淡いピンクの乳首に視線は釘付けになり、唾を飲み込む。立ち上がり始めた股間に応えるため、今すぐにしゃぶりついて乱してむちゃくちゃにしてやりたい衝動に駆られる。

「後悔しても知らねーからなっ」

「遊馬ー、アスちゃんー、ご飯よー。」

胸へ滑らせた手は下から呼ぶ姉の声によって止められた。中途半端な遊馬の愛撫に、期待していたアストラルも眉を寄せる。これは怒っている時の顔だ。

「遊馬…今何時だと思っている。」

「だーかーらー!誘ってきたのはお前のほうだろっ!!」

「もうすぐ夕飯、ということを考えれば年密に計画をたてて行動するものだろう。だから君はデュエルも弱いのだ。」

恨みにも近い小言を浴びせてくるアストラルに、耳も塞ぎたくなる。いろいろと言い返したいことはあるが、口喧嘩でアストラルに勝てる気はしない。乱れた上着を整え反応を始めてしまった雄をどうしようかと悩んでいると、話を聞いていないとアストラルがむくれる。

「せっかく、遊馬がその気になったというのに……」

小さく呟いた言葉は、遊馬の耳にしっかりと届いていた。慌てて振り返れば、汐らしいアストラルの表情。迷子の子供のような、頼りのない顔に、心臓が高鳴ってしまう。

「アストラル。」

「…なんだ甲斐性なし。女に恥をかかせるな。」

「…本当に悪かったって。あのさ、"彼女になる"っての、テストが関係しないとダメか?」

「数字は嘘をつかない。一番わかりやすい物事の計り方だ。君のはっきりしない愛情も、数字ならばわかりやすく、嘘偽りなく計れるだろう。」

「お前らしいや。」

「何が言いたい。」

怒りを露わにするアストラルに、遊馬ひ後込みした。アストラルの怒りを鎮めるのは容易ではない。空気すら凍り付かせる無言の圧力は、遊馬のトラウマとして深く心に刻み込まれている。

「今から、俺たちが恋人になるじゃダメかなーって…」

「遊馬ッ!早く降りてきなさい!!どーせあんたがアスちゃんを困らせてるんでしょ!!」

下から聞こえる姉の声も、段々怒気をはらんできた。更にもたつくと、ここまでやってくるであろう。今のアストラルの姿を見られるのは大変マズい。

「アストラル、とりあえず服を…」

「遊馬。君が最初からそう言えば、無理は言わなかった。」

遊馬の手をとり、自らの胸へ押し付けるとアストラルは花のように笑った。可愛らしい笑みなんて、始めてみた。それに手から伝わる柔らかい胸の感触に、再び雄が熱を帯びる。

「しかし、そうすれば70点以上のご褒美がなくなる。」

「い、いいいいや、ありがとうございます、じゃなくて。ご褒美とかもういいから…ホラ、手が、胸が、」

「理由はどうあれ、先払いは先払いだ。高くつくのは忘れるな。」

「胸、胸が……柔らかい、じゃなくて!」

「もっとあった方がいいのか?アンナくらいか?」

「ナイよりはあった方がいいけど、ナイならナイで……何言わせんだよっ!!」

「それは君にも言えたことだが。」

視線を感じた股間に、遊馬は真っ赤になる。挑戦的な顔に、敗北感を覚えるが言い返しても打ち負かされるだけ。今ももうサレンダー寸前だ。

「ならば、ご褒美は100点だけだ。それ以下は全てデュエル禁止。いいな。」

「うええ!?俺もしかして、余計なこと言った!?」

「…私とつき合うことをもう後悔しているのか?」

「いや、しねえ!そこは絶対しねえ!」

「安心しろ。100点以下は必然的に私もデュエル禁止だ。君と付き合うことになるのだからな。」

「え…」

「何を想像している。このドスケベ。」

イヤらしいことを考えていなかったと言えば、嘘になる。『何でも見抜いている』とクスクスと笑うアストラルに、また顔が熱くなった。
しかし何か忘れてはいないだろうか。

「遊馬…いい加減に…」

「わわわわわっ!アストラル!早く上着上着!!」

明里の怒声がすぐ真下で聞こえる。名残惜しいが、慌ててアストラルから手を離すと自らのシャツで体を隠す。
遊馬のシャツを強く握り締め、アストラルは顔を赤らめ笑った。

+END

++++
天然肉食系女子・アストラルちゃん

誘い受けと、アストラルに「ドスケベ」と言わせたかっただけ。
素敵サイト様の本や漫画で言ってるのを読んで、うっかり萌えました

書いたらいろいろ燃え尽きました。漫画にしろと言うことか。

14.9.5



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