小さな独占欲
※現パロ
※ユート視点
遊矢はユートの太陽だった。
誰にでも優しく、皆の中心でいつも皆に笑顔を振り撒いていた。
なに不自由しなかったユートに対し、父親が幼い頃に行方不明になっている遊矢。それでも誰かのために、と頑張る遊矢が眩しかった。
いつの日か、そんな彼の笑顔の力になれたらと思っていた。その思いが強くなった時、親が夜逃げしてしまたのをきっかけに遊矢の家に転がり込んだ。
遊矢は、何も聞かなかった。ユートもこっそりバイトはしているが、遊矢には言ってはいない。そんな働きも学校に行く素振りを見せないユートを責めるとこもなかった。
なにも聞かれないのはありがたい。ユートも元々話が得意ではないからだ。しかし、もっと知ってほしい、親しくなりたいという思いが日に日に強くなる。同時に、遊矢のことを何も知らないという事実に気づかされた。
夢は?
何故一人暮らしを?
俺のことは邪魔ではないのか?
彼女は?
そう考える度に胸にチクリと小さな痛みが走る。
罪悪感から遊矢に迷惑をかけまいと、生活には細心の注意を払ってはいるが、もう少し近づきたい。
元より暗い顔をしていると、親友や親友の妹に言われたが、今は更に酷い有り様だと自覚している。
「遊矢...」
今日もこっそり遊矢のベットに寝転んでは彼の枕を抱き締める。
彼の笑顔の手伝いをしたかったはずが、独り占めしたいとなっていた時には、もう恋に落ちていたんだと思う。
++++
【ゆやユト語り】それぞれが、はじめて相手を恋愛対象として意識したときについて語りましょう。
ユート視点の迷走っぷり
15.6.24
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