ゆぎお | ナノ



闇の運動会


秋といったら、皆さんは何を思い浮かべますか?
『食欲』『芸術』とありますが、一番は運動の秋ではないでしょうか。
今回はの企画は体育祭、運動の秋以外一切認めません。あしからず。


「なんて自分勝手な…」

とりあえず、体育祭でも行いましょう。今回は久しぶりの一心同体設定でいきます。

「ナレーターの人、解説お疲れさま。」

さて、この企画で集まったのは、主人公こと遊戯を筆頭にお馴染みのメンバーたち。城之内、海馬、獏良たち、マリクたちである。

「なぁ、勝ったら賞金か賞品はでるのか?」
「さぁ?僕は何も聞いてないよ。」

城之内は現金ですね。賞品は総受け担当、闇遊戯でお送り致しましょう。

「…そうとわかれば頑張るしかねぇか!」

やる気を出して貰えたら本望です。遊戯からは殺気のようなものを感じますがスルーします怖いから。
ここで登場、獏良ではなく、盗賊王の魂ことバクラ。賞品を聞いて、彼もやる気を出した様子です。

「おっと。俺様を忘れてもらっちゃ困るぜぇ?」
『負けたら絞めるからね!』
「宿主…いやホント止めようぜそれ…」
『どっかの誰かが勝手に意気込んで変われって言ったんだから。そのくらいの罰は当たり前でしょ?』
「負けたら俺様は死ぬのか。」

(何話してるのかわかりやすいな…)

おっと、早速競技開始でしょうか。表人格たちの精神攻撃に、何人がどれだけ保つでしょうか。バクラは最早脱落寸前、城之内も遊戯に睨まれ腰が引けています。この勝負、どうなる!?

「こ、この試合。主催者権限により、ち、中止とする!」

今回の企画には、海馬コーポレーションは一切関与しておりません。

「だよな。アンタ、主宰者じゃねぇだろ?」

おっと、ここで新しい選手の追加だ。後輩である十代と覇王ペアに、海馬が胡散臭い目で見つめられている。これも精神的にダメージがあるだろう。先輩として。

「『…海馬さんも押されている。この勝負、どうなるかわからないな。』」

そして、解説係という安全地帯にいます遊星。勝敗判決は全部彼に任せてますので、反抗しないようにしてください。

「おいナレーター!遊星が解説なら、俺も」
「『ジャック。ややこしくなる。来るな。』」

ジャックが精神大ダメージで保健室行きになりました。この勝負の勝者は遊星で決まりであろう。

「ほほう…まさにDEATH GAME!」
『真面目にやる気ないなら僕と代われって。』
「しゅみましぇん。」

マリクチームも主導権は表人格にあるようです。
さあ、選手紹介も終わったところで、競技に移りましょう。王様わ守るためもう周囲を威嚇もとい、視線で殺さん勢いで睨み付けている遊戯は置いといて。

「まだ僕のバトルフェイズは終了してないよ…勝負が始まる前から、戦いは始まって――」
『相棒、話が進まないぜ。』
「そうだね、ごめん!」

王様には素直な遊戯でした。
さて、第一種目は窃盗、ではなく借り物競争です。

「『窃盗って言ったな今。』」

何を仰るのやら。
さあ、勇気ある人方は位置について。死人を出さない程度に頑張ってください。

「誤魔化したな…コイツ…」
「待て!死人が出るのか!?」


城之内の場合。

―電柱

「犯罪を犯せと!?」



バクラの場合。

―千年パズル

「殺される!?取れるもんならとっくの昔に盗ってるっつの!」
『遊戯くーん!バクラがねー』
「やめてくれぇぇぇぇぇぇ!」



マリクの場合。

「さあて…」

―ミイラ

『墓守一族に墓を荒らせと。』
「主人格さ」
『やったら除霊な。』



海馬の場合。

―恐竜

「海馬コーポレーションの全勢力を上げて、今すぐ復元しろ!」
「出来そうで怖い!」



十代の場合。

―明日

「んなベタな!?」
『…明日香ならいるがな。』
「天然発言ありがとう!ちょっとイラッときた!」


さて、勿論誰一人としてゴール出来ないわけですが。解説の遊星さん。判定はどうなりますか。

「『覇王さんで。』」

これは遊星にギャグ好き疑惑が。

「それより誰一人と競技こなしてないだろ!」

そう仕込んでいます。逆にゴールされたら焦りました。

「ちょっと面貸してくれないかな?」

暴力反対!
当競技場では暴力は固く禁止しております。競技以外で。

「そんなことより。遊戯さん!もう一人の遊戯さん出してくださいよ〜。」
「今日はダメだよ。」

王様が出てきたら、競技関係なくデスマッチが始まりますからね。では次いってみよう。
次の種目は、ドキドキの傷害物競争です。

「『傷害…?』」

おや、遊星が気づきましたね。そうです、傷害なのです。暴力が支配する競技なのです。某世紀末のように。
さあ、生きてゴールしたら勝ちです。皆さん、位置について…

「貴様ら俺を差し置いて何をしている!この俺がいないと始まらないだろう!」

現れたのは元キングことジャック。相変わらず目たちたがりです。

「『屋上の金髪。今すぐそこから降りてこい。飛び降りろ。』」
「わかった!………え?」

遊星の遠まわしな暴言に気づき、なんとか思いとどまりました。事件にならなくてよかったです本当に。

ところで、狙いは誰ですか?王様ですか?

「へぇ〜…ふーん…」
「『次はユウギさんか…』」

おっと、皆の瞳に殺意が浮かびました。これは完全に敵と認知した様子です。

「き、貴様!ワザとだろう!」

無論。ジャックが遊星狙いとわかっていながらの煽りです。

「貴様!覚えて――」
「『皆さん。ジャックは怪我になれてます。』」
「行くよ十代君!」
「わかりました!!」
「え゛。待て遊星!話せば分かる!!」

遊戯:とんぼ装備
十代:玉装備

さっそく主人公二人がエゲツナイものを装備しております。

「痛い痛い!おい十代とか言う奴!なんで玉投げ用の玉がこんなに固いんだ!?」
「ガッチャ!俺特製、石入りだぜ!」
『しかも角ばったものばかりだったな。』
「シッ!覇王、それは言わないお約束だ。」
「貴様ぁぁぁぁぁ、イダッ!とんぼは人を殴るものではないだろ!?本気で痛い!」
「当たり前だよ。よい子は真似しないでね!」

物を人に投げつけたり、叩いたりはしてはいけませんよ。
しかしこの競技、"傷害物"はあっても"競争"がないですね。

「じゃあどっちが先に病院送りにできるか競争だな。」
「俺達は海馬狙いだなぁ。」
「「は!?」」
「『採用。』」
「「何だと!?」」

まさかの超展開と、海馬とジャック好きな方に土下座するハメに。今更と言えば今更なのですが…ここまで酷くなるのも珍しい。

「いくぜ海馬ぁ!」
「覚悟はいいかぁ!?」
「食らえ!」

城之内:野球硬球装備
マリク:顔芸装着
バクラ:鎌装備

「凡骨!バクラ!普通に危険だ!!」
「うるせぇ!!てめぇの話なんざ聞きたくねぇ!」
「日頃の恨みっ!」
「うへぇ!」

バクラの鎌は除草用ですが、取りあえず。
よい子は絶対に真似しないでください。除草用でもそうでなくても危険は危険です。


―1時間後―


「「ゲフッ…」」

すっかりのびてしまった海馬とジャックに、清々しいまでの笑顔を浮かべる加害者たち。反省の色など微塵もありません。
もっと反省しましょう。

「『これは、両者引き分け。』」

あわれ海馬族。さよなら海馬族。君達の勇姿は、しばらくの間は我らの心に刻まれるだろう。
冗談はここまでにしましょう。

「ガッチャ!楽しい競技だったぜ☆」

十代選手、いい笑顔です。殴りたい、この笑顔です。
じゃあ担架で運ばれた二人の無事を祈りつつ。気分を一新して、最期の競技はリレーです。しかも、目標は千年パズル。

「あっいつの間に!しかもご丁寧に遠くの台の上に!」

言いたいことはわかりますね?
物理的に王様を手に入れた者が勝者になるルールです。

「ナイス責任者!」

これは競技ですから、恨むのはなしです。遊戯選手、砲丸から手を離しなさい。錆びたら陸上部が困ります。
そして実体のないナレーターの相手なんてしていると。

「『ユウギさんがピンチですよ。』」

闇人格たちが、猛然とパズルに突進中しております。これは速い。そして王様の身に危機が迫ります。

「もう一人の僕!?」
「ユウギ!」

遊戯と城之内も遅れてスタートしました。しかし、十代はどこでしょうか。見あたりません。

「あ、俺は横からかっさらう派。」
「『…あの中に入るのは自殺行為だな…』」

同意しますが、最悪な事を言ってます。と、その間に決着がつきました。速すぎです。
勝者は…

「僕を出し抜こうなんて甘いよ。」
「砲丸…だと…」

城之内は"武藤遊戯"という人物をよくわかっており、決して背中を見せないようにしていました。躊躇いなく砲丸を投げるとは、まさかの悪役たちも読めなかったでしょう。

「『ということは。遊戯さん圧勝。』」

勿論最後に勝つのは主人公ですね。千年パズルは無事、持ち主の手に戻りました。

「つーか、この勝負以外はユウギさん総受けって感じがしないよな。」

お黙りなさい遊城十代。

「確かに。そのユウギも全然出てこねぇし。具合でも悪いのか?」

「出してほしいの?」

まさかの遊戯から、OKか!?いつも死守をする彼にしては珍しい―――


「あ、相棒……今日は代わらないって……」
「!?」

まさに一瞬の出来事でした。腰を押さえて、恥ずかしそうな表情のユウギに、皆は悟りました。
負けた、と。

「『遊戯さんの一人勝ち。』」
「そりゃないぜ!」

+END

++++
『表闇前提王様総受けギャグ(海馬族悲惨系)』というリクの元、執筆しました。なぁにこれ。

10.2.1
修正14.11.27



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