2012/10/16 DIOとジョナサン
ディオの青白い手が好きだった。いつだって死体みたいに体温を感じさせないその色合いだとか、とろけるようなカーブを描く爪先なんかはこういっちゃなんだけれど、女の子のようだった。今の彼にそう言ったってまるでなんの意味も成さないけれど、ぼくの主観的な彼のイメージと言えばそんなものでしかない。ライオンの鬣のような黄金の髪を撫でながら目を閉じると、星がきらきらと瞬いて見えた。



2012/10/16 地下鉄

「ぼくは、だいたいにおいてきみがすきだけれど」
なんでもないです、とか、大丈夫です、とかいう言葉は好きじゃないんだ。きみはおとなしく、ぼくに助けられていればいいのに。ティースプーン一杯の砂糖を湯気の立つ紅茶に滑らせる。



2012/10/15 ミスタとジョルノ

それはカタカタと音を立てて片っ端から食べていってしまうようだった。負傷してもげた薬指と小指をそこらの雑草からすっかり元の通りにしてしまったそいつを眺める。珍しくも乱れた髪が銀色の風に揺られている。なんの感慨もなく、淡々と作り替えられる生命の形はいつ見たっておそろしくてたまらない。ジョルノ、と名前を呼ぶとすぐにこちらを見るその純朴なところがそれを際立たせた。
「お前の手って、いつ見ても小せえよな」
「そうですか。あなたが大きいだけじゃないんですか」
「雑草なんかで治っちまうのか」
「嫌味っぽく、綺麗な花で治してあげましょうか」
「冗談」
このままくすんだ町のくすんだ風に攫われてしまうんじゃないかって、いつでも不安なんだと言えばどんな顔をするだろう。かつて指だったものを何の躊躇もなく捨ててしまうお前が。



2012/10/12 テスト
テスト



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