忙しない生活の合間を縫って
たどたどしく恋していた頃
木漏れ日が差し込む清潔な部屋で
今思えばそう
何度も別れの準備をしていたんだ

僕の描いた未来予想図を褒めてくれるけど
他人事みたいに笑うから
そこにいる君を繋ぎ止めたくて
華奢な手を握りしめていた

綺麗な君を覚えている
声も仕草も伏せた睫毛の影だって
たけど夢に見るのは最後の君ばかりだ
だから幾つもの夜を飛び越えて
次の春がくる頃には

とびきりめかし込んで 君に会いに行きたい

鈍行列車で訪れた君の故郷
二度目の海風が頬を虚しく撫でる
隣に君が居ないだけでなのに
何だか全てが他人みたいで
世界に一人きりのような気すらした

君との約束を覚えている
この先どんなことがあったとしても
君の愛した人間を大切にするって
だけどねえ この夜を超えて
全てを終わらせることが出来たなら

綺麗な君に めかし込んで、君に




死化粧
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