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※移転先からの取り急ぎのバックアップです


雨音の三連符はいつだって短調
はらりと落ちた窓の向こうの葉
止水栓のない雨漏りみたいな涙
まだ雨粒を数える夜が明けない
なぜこの感傷を流してくれない
いつか晴間が来るとかいう慰め


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恐ろしさは夜中のともだち
夜半の窓辺に腰掛けた熱病
酸いも甘いも宵闇で交わり
御簾ではこころは隠せない
名前を呼ぶ声が止んだ静寂
寂しいと言ったほうが負け
いつか溶けて一になるまで
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夜更けのきみの鼓動の安寧
くせ毛のそれに指を絡めて
寝床はおとぎ話で埋めよう
むずかしいのは明日の約束
慎ましく握り合うぬくもり
手を繋いだら行く先は同じ
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暑さに溶けぬきみの熱
夕暮れの赤ときみの朱
揺れて掴めぬきみの情

熱病、残像、醒めない夢
壊れた蝶番を抱きしめて
秘密の鍵置場はそのまま

夜更けの残像、届かぬ蕾
はじまりは未だ知らない
孤立無援の幼子ひとりで
独りごとさえ永遠に反響

行先不明、未明発の列車
方角を見失う星のない夜
不安は果てなき旅路の友
明滅繰り返す通知ランプ
のどにつかえた言葉たち
三行半がわりの置き手紙
行くなの声も届かぬ距離
広いベッドにのこる匂い
告げぬ心は当然置き去り

不変なんてどこにも存在しないのに
幸福を願うには足りないエネルギー
のぞまない、それが私をまもるもの
蜜に溶かした妬み嫉みを今日も食す
にいっと笑う振りだけとても上手ね
浸水した六畳間で永遠にうたたねを
かえる場所さえ失ってしまったから
るすでんひびいて、そのままおわり

退廃的な夜に落ちるきみの影
屈折した情緒は未だ行方不明
なぞった輪郭の感触はおぼろ
夜明けさえも責め立てる孤独



現実は闇には溶けてくれない
絡まって散らばったイヤホン
浅く残ったままのマグカップ
皺になって久しい白いシーツ
すべてが夢ならば溶けたのに


▽静謐に混ざるきみの劣情

静謐に混ざるきみの劣情
寂寞はいつか夜に溶ける
祈りを押し花に綴じ込む
冷ややかな指先に灯る熱
積読の壁といつかの日記
日光に憧れ抱く月光未満
マーマレードのかくし味
残滓だけの慈雨に似た涙
流転する世界と六畳一間
キアズマまで何光年の道
見失った午前三時の雨粒
喉元にペーパーナイフを
連動しないふたつの鼓動
作られた冷静さも無抵抗
情熱的なうわごとひとつ
夜の灯火に似合いの視線
右往左往もここが終着点


雨上がりの呪い
滅入る虹の下
明日は泥沼
瓦解の響
輪廻了

もがれた天使の羽の行方
心中できない記憶の重さ
醒めるくらいなら見せないで
想い出の鍵は海に捨てました

鋭角なきみの温度
諳んじた空想世界
来世ならきっと猫
ゴミ箱に捨てた星
遁走前夜の祭囃子
儚くてもそれは愛
地球儀にない場所
燃焼済の感傷たち


寂寞と紙一重の静寂
無機物になれない僕らの話
凍った指先と氷点下2度の愛情
狭苦しくたって愛


憂鬱な紫のきみ
曖昧な垣間見

慣れない肺呼吸
一番雄弁な残り香
マーキングメモリー
きっと煙が染みたせい
きみの残した紫煙と言葉
いつかの感情も煙に巻いて

誰かのための傷跡
至らないなら殺して
事後承諾の一夜のこと
似た者同士の慰みたちを
舌を最後に噛み切ったなら
抵抗の心は廃棄すること
他殺体を一から数えて
軒下の秘めた由無事
二度と合わない瞳

秘め事はスパイス
密室の世迷いごと
のっぴきなってよ
関わらない誠実さ
係留の糸は赤い糸

衝動的祈りの破壊性
祈りと狂いは紙一重

僕しか知らない世界の欠落
思い出を埋める深夜の慟哭
代償は貴方の心臓でどう?

もどかしい15cmの距離
割り切れないパイと私
不幸はいつだって13番目
一年経っても変わらぬ関係
午後11時の反省会

速報:月が墜落

きみが残した紫煙のかおり
煙草の火種じゃぬくみは足りない

捨てられない欠けたマグ
長々しい夜の一人寝に杯

眠りは怖くないって嘘だよ
明日も同じ世界だと証明してほしい

濡れ鼠の君を待つ夜更け
寂しさは雨には溶けない
残り香だけは消えないで

時計の針に腰掛けてたそがれ
きみの気紛れがいちばん嫌い
夜なべして綴る恨みつらみよ
とめどなく流れる記憶の濁流
真夜中のティータイムは孤独
連絡先を消すか迷う深夜三時

あなたの顔も遠くなるから
いつか隣で笑ってって傲慢
しあわせはずっと行方不明
てんびんにかけたのはぼく
たしかに愛だったのは本当


消えない傷をつけてほしい
余白が足りない想いの果て

糸が解けても厭わぬきみの意図

思い出だけで定員オーバー
道を違えたきみに贈る餞

さながら遺言か呪いか
よるは一人ぼっちの城
うっそうと茂る心の闇
ならってみる君の手癖
らしんばんも動かない

きみだけは幸せになってなんて
 後ろに隠れた背中合わせの幸福
 躁鬱入り交じる言葉は秘めるよ

今生の別れに見立てた花束
さながらシンデレラの雲隠れ
深夜に踊る窓枠のタップダンス
ひとりのベッドは余白ばかり
きみの声だけが聞こえない
くゆる煙に言葉も溶けてしまえばいいのに

忘れても遺る祈りの行く末
却下された願いの力で束縛
のどかさとうらはらの焦り
彼は誰時なら会えるかもね
方違えなんて苦しい言い訳
であわなくてもきっと運命
さよならはまだ言わせない
えんぴつ転がすくらい必死
もう触れないぬくもりの話
祈る気持ちは枯れないまま
りんと立つ君の横がいいよ

不在が目立つ深夜のベッド
寂しさと隣り合わせの夜長

夢の中は独裁者
見逃した道の数
はしたなく祈り
自信過剰の虫共
由縁も枯れ果て

嘘と見紛うきみの本音
吐露したいつかの願い
いまだけふたりっきり
たらればはゴミ箱行き
らしいだなんてたわ言
針穴通す鋭さの言の葉
千年後にもう一度して
本当に信じてもいい?


▽いつかのあなたの行く先になれたらそれでいいよ

いつかのあなたの行く先になれたらそれでいいよ
束の間の休息に天使みたいな顔で眠ってほしくて
変わらない愛なんてないけど信じてはみたいよね
遺された者の痛みなんてあなたは知らなくていい
ありふれた別れの言葉よりは沈黙のほうがよほど
名前だって忘れていいけど心の隙間だけは欲しい
たなびく髪の向こう側にいつかのおぼろげな幻想
軒先で雨宿り、指先であなたへ祈り、切っ先は私
行くも帰るもすべてはあなたの思うままでいいの
靴磨きはちゃんとするの、忘れないようにしてね
最後はきっとまだ先のことだと思うからおあずけ
気をつけていってらっしゃいの言葉に宿るあまた
似た者同士だからこそわかることもあるってこと
なあなあにしてきたあなたとの関係にピリオドを
連絡なんていらない、ただ生きていてくれればね
確かにあったはずのふたりの間の何かもさよなら
ラテ・アートみたいにすぐ消えてほしい心の痛み
粗大ゴミ回収の手続きだって始めないといけない
霊になってまで出てきてくれとは言わないけれど
出会いも別れも必然なら素知らぬ振りをしたのに
要らないっていう言葉だけはどうか胸に秘めてね
いっとう大事にしていたはずだったんだよ、本当
よく目に焼き付けようとしても滲むから駄目だね



人になり損ねた化物さめざめ
間を取って墓場かゆりかごか
椅子の背もたれ貴方への呪い
子供のフリしたいたいけ劣情

暗闇だけがきみのともだち

闇夜に輝く唯一はその琥珀の瞳
夕暮れに見えるきみの秘密の顔
知らない言葉で引かれる境界線

朝焼けでふたり溶ければいいのに


▽何も知らないきみに思い出してよと願うエゴ

何も知らないきみに思い出してよと願うエゴ
もどかしさをすべて飲みこめばまた笑える?
知らないことは罪だからなんて贖罪しないで
らんらんと輝く瞳でぼくを見つめないでくれ
なんども泣き喚いても戻ることなどないのに
いまだけは何も言わないで抱きしめてほしい
きっと明日はなんて祈る深夜二時のベッド上
みっともなくも縋ってしまうぼくの浅ましさ
にっこり笑ってさよならなんて日々は非実在
思い出した振りがいちばんみじめになるのに
いらない感情なのにどうして消えてくれない
出演者はぼくだけの一人芝居で猿芝居みたい
しっかり握られた手の温度差に悲しくなって
ていねいに丁寧に綴った言葉から伝わる拒絶
よふかしのお供は呪詛みたいな天への恨み言
ともしびはしとしと雨に打たれて消えたまま
願わくばきみとふたりでくだらないと笑って
うさぎじゃないけど寂しくて死にそうって嘘
エンドレスリピートするきみのさいごの言葉
ゴールは何も言わず舞台から一人降りるだけ


想い出は残り香ばかり
言えないままのさよならはいらない

きみの涙はぼくのエゴ
きみの帰りを待ち続けて幾星霜
闇夜に似合いの一節を
滲む言葉の本音を教えて
残り香だけが漂うシーツ
アルコールできみの残滓も消えればいいのに
いつかまた会えるなんて世迷い事は言わないで

成り損ないの輝き
騙して絡めて堕としてあげる
眩しすぎて溶ける距離

きみを憎めたらすべてがうまくいくのに
その090は現在使われておりません、

揺れる向日葵の向こう側で笑っていて
誰かを憎まずにいれたらいいのに
純情はとおくきみの手の中

夏の夕暮れに似た寂寞
やさしさはきみのために取っておく
雨に悲しみが溶けてしまえばいいのに

有名無実のこいびと
憂鬱が揺らぐ夕暮れ
流れ星にもう夢は見ない
見せかけの友愛はもういらない
優等生に成り損ねた化け物
誘引された虫みたいなぼく

群青の夜明け、遠く輝く星が見えた
像は鏡に映ることさえもないままに
劇場の舞台は未だ誰かを待っている
のんびりしていたら自転に乗り損ね
開口一番罵るのは君らしくていいね
始まりの合図はあの子が泣いたとき

綺麗な花を咲かせる能があるだけいいじゃない
時限爆弾みたいな心臓
あくびの中に幸せだったころの夢を見る
あの日交わした言葉の意味をずっと考えている
白馬の王子様を期待するだけなら自由でしょう?

とりあえず世界征服でもしてみます?
半径1mの世界
たとえば、世界にきみとぼくの2人だったら
世界中を敵に回す勇気はぼくにはない
世界が終わる瞬間、僕はきみの透き通る虹彩を眺めていた
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