初めての恋が終わるとき



彼とのペアルックはとてもではないが多い方に分類されると思う。マグカップという定番ものから時計というなんとも言えないものまで。色々な物をペアルックにした。
今日もそのペアルックの物を買いに行った。

「ペアルック多すぎて笑っちゃうよ」
「この前宮地さんにひかれたぜ?」
「うわ、うちも先輩にひかれた!」
私たちはそう言って店から出る。周りの人たちは私たちを見て口々にバカップルだ、と呟く。その声を聞くたびに私たちは笑ってしまう。

「ね、次はどうする?」
私は笑いながら言った。そうしたら握っている手を強く握られた。顔を見れば緊張しているような顔。
先ほどまでの笑っている顔とは違う。試合中のような顔だった。
あれ、何か変な事言っちゃたかな。

「…名字」
「名字?」
「だから! 名字、一緒にしね?」
そう言って彼は笑った。私は吹いてしまった。なんだよ、と彼は顔を赤くしていた。
嬉しくて、よろしくお願いします、と言ったらよっしゃ! と嬉しそうにガッツポーズをしている彼。

「高尾彩花…なんか、しっくりくる」
「さすが彩花。あ、奥さんか」
奥さん、いい響きだなー、とニヤニヤしていれば彼に注意された。いや、旦那さんだな。




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