「テツ君ー、バニラシェイク作ったよ」
私はそう言って、私の彼氏。基、黒子テツヤを呼ぶ。
テツ君はすぐにこちらに来てくれた。
本を読んでいる途中だったようだ。
コップに注いだシェイクに一本のストロー。
そして、美味しそうにそれを飲むテツ君。
完璧である。
「美味しいです」
「本当? 嬉しい」
私はそう言って、キッチンへ戻る。
「他にも種類あるんだけれど、良いかな?」
私がそう言うと、テツ君は嫌な顔一つせずに、はいと頷いてくれた。
種類は、チョコ、イチゴ、バナナである。
無難ではあるが、一生懸命作った。喜んでくれるかな? そんな事しか今は考えていなかった。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
テツ君はそう言って、一つずつ美味しそうに食べてくれた。
私はそれが嬉しくてたまらなかった。
「彩花さんは本当に料理が得意なんですね」
「うん、これだけだよ。
唯一の特技ってやつ?」
「……お嫁さんにしたいぐらいです」
テツ君はそう言って、いつも通り笑った。
私は、はい、としか頷けなかった。
もう少しましな応答はできなかったのであろうか。
「それは良かったです」
テツ君はまた、バニラシェイクを飲みだした。
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