知らなすぎる



赤司君の家は、お金持ちだそうだ。
そして、白馬をいつも乗って登校しているそうだ。

私は、赤司君の彼女でありながら彼の事を全く知らなかった。
お金持ちって言うのも、この前聞いたばかりだ。


「あ、彩花。おはよう」

「赤司君、おはよ」
私はいうものように挨拶をする。


「赤司君ってさ」
私は、彼氏である彼の事を知らなすぎる自分が恥ずかしくてしょうがなかった。
だから、聞いてみることにした。


「お金持ち……なの?」

「え?」
赤司君は困った顔で言った。


「あのね、昨日クラスの子にさ赤司君がお金持ちって聞いて……。
 私みたいな凡人と付き合ってていいのかなぁって思ってさ。
 ……どうなの?」
私は思っている言葉を全部言った。
赤司君は困った顔をしながら聞いてくれていた。


「……僕がお金持ちだったら、
 彩花は僕と別れるかい?」

「え? そんなわけないじゃん。
 ただ……その……彼氏の事は少しでも多く知っておきたいからさ」

「そうか、なら良かった。
 じゃあ今度、僕ん家に行こう。父を紹介するよ」
赤司君は嬉しそうに言った。
さっきの顔とは真逆だった。


「え、お父さん!?」

「あぁ、なんなら今日でも良いぞ。
 明日は……父に頼んで休みにしてもらおう。大丈夫、欠席ってさせないから」
赤司君はそう言いながら携帯でどこかに電話をかけ始めた。


「……分かった」
私は何も考えずに頷いてしまった。



(よし、今から行こう)
(学校は!?)

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