休憩タイム

疲れた。
テスト勉強中、隣で鳴が呟いた。
あんたのためなんですけど!! 私がそういと、だって―、なんて駄々をこねている。
あぁ―、雅さんが恋しいよ。ずっと高校生だったら良かったのに、なんて思っていた。


「あぁ―、試合ないかな―」
「練習試合か……、監督に頼めば?」
「駄目だった」
「頼んだんだ……」
私はそう言いながら、テスト勉強をしている。シャープペンをカリカリと動かす。

「ガリ勉」
「うるさ―い」
がりべーん、ムスーッとしながら言う鳴。私は無視をする。真に受けると疲れるからだ。

「勉強ばっかしないでさ、おいらが居るんだからさ!」
「はいはい、エース様」
「バカにするなよ!」
ゴメンゴメンと謝る。
するとガラリと扉が開く音がした。

「……樹」
「ひっ! 鳴さん怒ってます……ね。すみません!」
「まぁ、良いよ。ちょっといつもより時間長かったし」
鳴はかったるそうに、言うと私の頭に手をのっけた。邪魔だ。

「あ、じゃあよろしくお願いします。では」
「樹くん、いつもありがとうね」
「へ、あ、いえ!」
樹くんはガクガクとしながら、言う。
そんなに私が怖いだろうか。

「じゃ、明日もよろしく―」
なんて当たり前のように言う。
今日で期限切れ、と私が言うと歩いていた足を止めた。
そしてこちらを向く。やべ、怒ってる。


「おいらが明日もっていってるんだから
明日もやる。エース様と一緒に居られるんだからな」
「あぁ―、はいはい。分かったよ。
明日もね」
私は勉強道具をしまいながら言った。
明日もって、鳴ファンに怒られるわ……、とか思いながらため息をつく。

「あ、じゃあ、家まで行くから―」
突然思い付いたかのように鳴は言った。
なにをたくらんでいるんだか。
私が戸惑っていると、鳴が口を開いた。

「彩花の家族に挨拶に行かないと」
そう言われて私は、付き合ってもないんだよ? と言う。
すると、あ、そうだった、と言う鳴。

「彩花……おいらと付き合ってよ」
告白されて、不覚にもドキッとしてしまった。
鳴がこんなにかっこいいと思ったのは始めてだった。
扉の前に立っていた樹くんは唖然としている。

「……お願いします」
私は無意識のうちに口を開いていた。
んじゃ、後でな、と言いながら樹くんを連れて行ってしまった。
まだ胸がドキドキとなっている。あぁ―、これが恋なんだ。


(彩花―、見てて!!)
(そんなに叫んだら知られちゃうでしょ……)
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