100%を軽く超え、
「うわ、このコーヒー甘っ」
缶のコーヒーに口をつけて彩花は言った。
おい、それ俺の……とまで開いた口を閉じる。
そういう事言いながら彩花はスッゲェ美味しそうに飲む。
「おい、返せよ」
「えへへ、嫌だよー。
これ、私知らなかったんだもん」
「千葉にはずっとあったぞ」
「嘘!? すっご、千葉県すっご!」
彩花はそう言って、そのコーヒーを飲む。
もっと無いの? と、空になった缶を俺に見せつけながら言う。
「はぁ、ペットボトルなら」
「頂戴!!」
「はぁ? 嫌に決まってんだろ」
「ケチー」
「ケチで結構」
俺はそう言って、ペットボトルのコーヒーを飲む。
高校生になっても、このコーヒーのせいげで普通のコーヒーに慣れない。
まぁ、美味しいから良いけど。
「洋一!」
あ、さすがに怒っちまったか? 俺はそう思いながら、彩花の方を向く。
すると、唇にほんの一瞬だけ柔らかい感触があった。
今でもその感触は覚えている。
「ちょーだい?」
彩花はめっちゃ恥ずかしそうに言った。
いつも、俺からしているから慣れていないのだろう。
俺は、少し嬉しくなって、すぐにそのコーヒーをあげてしまった。
彩花はそれを嬉しそうに飲む。
「そういえばそれ、近くのコンビニにも売ってたぜ?」
「本当!? 買う買う!」
彩花はパッと顔を明るくして言った。
本当、彩花に俺は甘いんだよな……。
このコーヒー並み……いや、以上にだな。