気づかれる前に阻止をして

「やぁ、やぁ、御幸一也君よ。
 君はどうしていつも一人なんだい?」

「やぁ、やぁ、宮本彩花ちゃんよ。
 君はどうしていつもココに来るんだい?」

「いや、何か面白そうだなーって。
 てか、御幸が呼んでるそれ何? スコアブックだっけ?」

「せーいかーい。
 彩花ちゃん、良く知ってるな。」
あまり人のいない教室。
いつもは私と御幸の他にもう一人(まぁ、倉持ですけど!)、居たのだが、呼び出しを食らったそうだ。
(告白だろ、ど―せ!)


「まぁねん。
 これでも一応、サッカー部のマネですから」
私はへへんっと言いながら言った。
上から目線が鼻につくだろ、御幸ぃ。


「にしても、大変だねー。
 何それ、御幸の仕事なの?」

「あぁ、っていうより、
 捕手の仕事って奴?」

「あぁ、なるへそ。
 投手に指示するもんね。司令塔かぁ。
 良いね」

「まぁ、司令塔だな」

「よっ! 司令塔っ!」

「こらこら、騒ぐなって」
御幸は親みたいに言った。
良い主夫になりそうだ。

「御幸大変そうだよね。
 いっつも、一年生の事見てさ」

「ん? どういう事?」

「いや、だから……あ」

「サッカー部と野球部ってさ、
 正反対のグラウンド使ってるよな?」
御幸はキョトンとした顔で言う。
こいつ……悪魔だな。

「あ、いやぁ。
 ちょっとたまたま、通りかかっただけでして……。」
なははははと、その場を押し切ろうとする。
ですが、
「なぁ、誰か好みの奴とかいるの?」
結構つっかかってくるんですね。
マジ穴にはいりたい。

「あぁー、うーん。
 あはっ」

「おい」

「うっ……。
 み、御幸怖いよー」

「本気で聞いてんだけど? 俺は」
いつもの御幸じゃなくて、私の知らない御幸で少し怖かった。


「ん……。
 はぁ、もう、バカ」
彩花は一言そう言って、机に突っ伏した。
顔を隠すかのように……。


あなたが好きなんですよ、バカ!!

(早く、気づいてよ!!)
(とっくに気づいてるっつーの。)
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