今晩はコンビニで

現在、22時。
私は暗い道を一人で、コンビニへと向かっていた。


コンビニに入れば、冷たい空気が私の頬を撫でる。
外とは違う快適さに私はずっとココに居たいと思ってしまった。


「あ! 彩花センパイだ!」
コンビニに入れば、そんな声が聞えた。
私は周りの視線が気になりつつ、うしろを振り返った。


「あ、沢村君」
そこには、一つ下の沢村君が居た。
あれ? 沢村君って寮生活なんじゃ……。


「おい、沢村、うるせ……宮本?」
沢村君の後ろから聞き覚えのある声が聞えた。


「み、御幸君……どうしたの?」

「ちょっと買い出し。
 罰ゲームみたいな?」

「お疲れ様です」
私はクスリと笑いながら言った。
沢村君は、もう買い物をしに行ってしまったようだ。


「そういや、宮本は?」

「私は普通に個人的な買い物」

「ふーん」
御幸君はそういうと、近くのお菓子の並んでいるブースによった。
私もよる。


「どれがおススメなわけ?」

「え?」

「だって宮本、情報通なんだろ?
 どうなんだよ」

「え、あ……これとか?」
私は最近、流行っているお菓子を手にした。


「お、サンキュー。
 美味かったら報告するわ。」
っつーことで、携帯持ってる?と、御幸は自分の携帯を出していった。


「あ、うん。
 今、持ってるけど」

「んじゃ、貸してもらいますよー」
御幸君は私の手元から携帯をスッととると、パッパとメアド交換を進めた。
その際に顔を見てみると、やはりイケメンであった。


「ほら」

「あ、ありがと……」
私は戸惑いながらも御幸君の手から携帯を取った。
顔を上げれば、御幸君が居て笑ってる。


「……い、いつでもメールして。
 私基本的に暇だからさ」

「? 彼氏とかいねーの?」

「あ、御幸君、分かっててそう言うの聞いちゃうの?」

「いや、そーいうわけじゃなくて……俺さ、宮本の事」
「御幸一也!! もう買い終わったから行くぞ!」
御幸君が何か言いかけていると、両手に大きな袋を持った沢村君が言った。


「ちっ……。
 この後は、メールでな」
御幸君はイケメンな顔で笑った。私はそれだけで顔が赤くなってしまった。



彼らは、私に手を振ってコンビニを出て行った。



「イケメンめ……」
私のつぶやきは、たぶん、コンビニの店員さんに聞えていないであろうな。
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