ベタベタ影響力

「うん、ばいばーい」
校門前で友達と言葉を交わす。
自分以外の人たちは右に、自分は左側に行く。


「……あれ、純?」
彩花は呟いた。


「お、おぅ」
伊佐敷は彩花を見つけ、照れながら言った。
え、部活は? 野球は? 聞きたいことがたくさんあった。


「え、純。
 何でここに居るの? え……ココ、野球強かったっけ」
彩花は考え込んだ。


「いや、違ぇよ。
 偵察とかじゃなくてよ……」
伊佐敷は照れ隠しをしようと、そっぽを向いた。


「……乗れよ。送る」

「え、いいって。野球は?
 今日休みなの?」
彩花は心配そうに言った。
野球をするために青道に行ったのだ。なのに、野球をしないだなんて……。


「今日は、休みなんだよ。
 だから……」

「私の事はいいよ!
 甲子園行くんでしょ? 高校時代は一生に一回しか無いんだよ?」

「……彩花の事、いっつもかまってやれねぇから。
 たまにはこういう事してもバチは当たんねぇだろ」
伊佐敷はほら。と、彩花を急かすように言った。
彩花はコクリと頷いた。


「でもさ、自転車?
 え、てことは……ニケツ?」

「あぁ? 嫌だったか?」

「ううんっ。
 純らしいなーって」
彩花は笑いながら言った。


「んだよ、ほら、しっかり捕まってろよ」

「うん」
彩花は嬉しそうに伊佐敷の腹に腕をまわした。
夕陽に照らされる彼を見て、彩花は腕の力を強めた。
| #novel_menu# |
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -