症候群の特効薬

遠距離恋愛はそう長くは続かない。
何年も会わなければ、自然消滅してしまっても無理はないだろうと私は思う。というより、ならなければ可笑しいとさえ思っていた。でも、そうでもないらしいのだ。


「せや、今度、オフになったら……」
時刻は11時。電話ごしに彼の声が聞こえる。恥ずかしがりながら彼は私とデートの約束を結ぶ。私は嬉しい反面、お荷物になってしまうのではないかと不安な気持ちになっていた。

「ねぇ、ゾノ」
「な、なんや?」
「無理……しとらんよね?」
野球か? 怪我は大丈夫や。と、優しい声が耳に行き渡る。私はその声を聞くと不思議と安心するのだ。

「ゾノ、私、青道行ってみたい」
「東京に来るんか!?」
「せや。……駄目?」
「んや、全然えぇけど……」
そのな―、とはっきりしないでもじもじしているゾノ。いつもならはっきりバッと男らしく言うのに。

「なんや?」
「何で来たいんや?」
「ゾノの副キャプテン姿を見たいからに決まっとるやろ」
当たり前のことを言うと、恥ずかしいは! と怒鳴る。嬉しいのか怒っているのかよく分からんけど、ゾノの副キャプテン姿を見られるのはとても嬉しいことだった。
あ、そうと決まれば服用意しなきゃ。



関西の人に最近会い、凄く良い方だったので関西人のゾノ書きました。
関西の高校野球って激しいですよね。
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