大学を終えて、待ち合わせ場所の公園へと歩く。
まだ10分前だというのに友人の姿はもう、そこにはあった。
友人は私を見つけるなり、勝ち誇った顔をしていた。
今度は、20分前に来よう。
そう心に誓ったのであった。


「どう? 彩花、ココのお店素敵でしょ?」

「平日なのにたくさん人が居るね」

「お昼時だしね」
友人は笑って言った。
友人はパスタを、私はオムライスを注文した。
その他もろもろも。
くるのを待っている間に、私と友人は昔の話をしていた。

「本当、東君がめちゃくちゃ言ってた『不作の年』の子たちが
 今は最高学年で、先輩だなんてねー。
 時間が過ぎるのって早いわ」
友人はジュースを赤い可愛らしいストローで吸いながら言う。
私はそんな友人を見ながら、自分のジュースの入ったコップの氷をストローでつっついて遊んでいた。

「本当。でも、凄いんだよ?
 今の三年、後輩に凄くしたわれてるんだから」
嘘!? という友人の声と共に、料理が運ばれてきた。
私と友人は、料理を眺めて写真を撮った。

「あ、そういえば私ね、付き合ったよ」
私はサラッと言うと、結城君でしょ?と友人は当たり前だと言うかのように言った。
誰が友人に言ったのかは知らないが、予想はだいたいつく。
……貴子だな。
密かに思いつつ、声には出さない。
でも声に出しちゃいそうなので、オムライスを食べる。

「貴子じゃないよ? あ、そう思ってた? ゴッメーン。
 実はね、小湊君から聞いたんだ。
 凄くない? 私凄くない?」
なんて自画自賛している友人。テンションがハイである。
まぁ、そこが良いところでもあるんだが。

「まぁね、始めはさ驚いたよ?
 しかも小湊君の情報じゃん? バカにされてるのかなーとか思ってたんだよ。
 でも、まさか、本当だったとはねー」
ニヤニヤしながら言う友人。
私は、うるさい、と一言言う。

「まぁ、まぁ、良いじゃん。
 はぁ、私も付き合いたいなー。御幸君ってあいてるかな?」
……そんなの知るか。





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