「彩花さん、今日機嫌良いですね」
いつもの帰り道、哲に言われた一言であった。
「え? そうかなぁ。
うふふ、分かっちゃう?」
「いつもよりニコニコしていたんで」
哲はそういうと、本当に少し微笑んだ。
本当に少しね!
「私って分かりやすいのかな……」
「分かりやすかったら
どれだけ簡単か……」
「何が? あ、もしかして、
私の顔色伺っていつも物事言ってるの!?」
「あ、いや。
そんなことは無いです」
「そうなの?」
私は少しホッとして胸をなでおろした。
「じゃあ、私こっちだから」
「さようなら」
「うん、また明日」
私たちはわかれた。
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