「彩花せんせー! お昼一緒に食べましょ?」
「私もー!」
授業を終えた瞬間、これだ。毎度毎度の事で、私も慣れてしまった。
そして、その時のメガネの表情にも。

「うん、いいよ」
私は、決まってこう言う。
その声とともに、元ヤンがメガネに飯を誘うのだ。
そして、メガネはこちらをチラチラ見ながら元ヤンと黙って昼食を食べるのだ。

「先生は彼氏とかいるの?」
「あ、それ気になるー! 指輪はしてないし!」
誰々ー? と興味津々の彼女たち。私は、ふふ、と笑って誤魔化すがおねがい! と言われたので私は、諦めていうことにした。
本人の目の前で言うのは恥ずかしいけど、言うしかないよね。

「んーとね、付き合ってる人はいるよ」
その一言で、おぉ、と周りの子達が声をあげる。
どんな人? 身長は!? と、ぐいぐい質問をされる。私はそうだねー、と言いながら立ち上がってメガネの前まで行く。


「御幸君位の身長かな」
「御幸君!?」
「じゃあ、顔もこんな感じなの!?」
うわぁ、そうだったらヤバくない!? とか、なんとか教室中で騒がれる。
注目されるのは嬉しいが、少し照れる。隣に立って居るメガネも少し照れていた。
そんでもって、座ってジュースを飲んでいる元ヤンにちょっかいをかけられていた。
仲良いんじゃん、とか思いながら私は先ほどまで座っていた席に着いた。


「じゃあ、じゃあ、出会ったきっかけは? 高校とか?」
「いや、中学校からじゃない?」
いや、どちらも外れかな、と笑えば、えぇー! と驚きの声が上がる。
それは元ヤンもであった。至って普通にしているのはこの教室内でメガネと私ぐらいだ。

「ねぇ、どんな出会いかたしたの?」
「それ聞きたい!」
いつの間にか女の子に囲まれてしまった。
くそ、良いにおいがするな。さすがって感じだ。

「秘密―」
と言ってやったら、女子高校生たちは残念そうな声を出す。
私はその反応を見て、ふふ、と笑ってしまった。Sかよ。


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