幼馴染同士は付き合える。


だが、その反対に近すぎて付き合えないというのもある。
どれもこれも、私にとってはキュンキュンするストーリーだ。
そんな話が現実にあるのだろうか。
はっきり言えることは、私には起こりえない話、ということだけだった。
道を歩く人ごみの中に、高校生ぐらいの男女が仲良さそうに話しているのをよく見かける。
畜生、リア充め、と思った。が、かくいう私も、そのリア充である。
その相手はごくまれにみる特殊な奴で、『年下彼氏』というやつだ。
それも、10代と20代という歳の差である。
ジェネレーションギャップというものも日常会話にあるぐらい歳が離れている。

「あ! 居た! 彩花先生!」
「ここ教えて欲しいんですけど……」
「あ、うん。良いよ」
やったー! と嬉しそうにはしゃぐ彼女たち。
あ、この子たち、彼と同じクラスだ。少し良いなぁと羨ましく思う。
だが、そういうそぶりを見せずに私は彼女達に解説を始めた。大人の意地である。
私は、ここ、青道高校に先生の卵、つまり研修生として来ていた。今日で早一週間、やっと学校にも馴染めてきた。だが、一つ、慣れないことがある。

失礼します、と声が職員室に響く。その声に反応して若い女教師の目は光る。
私の周りに居る一人の子も頬を少し赤らめている。
あいつか……と、思い私はそちらに視線を移す。

「大谷先生、ちょっと良いっすか?」
そう、このメガネだ。








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