あの後、メガネを少し待たせて彼女たちに勉強をさっさと教えた。
メガネを見て、彼女達はキャッキャと騒いでいた。モテるなー、とか今更ながら思った。

「先生は御幸君の事どう思う!?」
「カッコいいよねー、あ、この子御幸君狙ってるんだよー」
「ちょっ! やめてよー」
あぁ、なんて微笑ましい姿なのだろう。
私は、頑張れ、と微笑んで言った。その言葉に罪悪感を覚える。

「じゃあ、先生ありがとう!」
「ありがとうございました」
「頑張れ」
私が手を振ると彼女達も手を振る。あぁ、若々しい。
そう思ってた時、視界にメガネが入った。


「先生、ちょっと部活の件で……」
メガネはそう言って嬉しそうに笑った。私は、分かった、と微笑む。これも先生の仕事だ。
私とメガネは、人気の少ない教室に入った。

「あぁー、敬語とか距離感感じる」
メガネはそう言って、ため息をついた。仕方ないじゃないか、先生と生徒なんだし。と、言おうと思ったが、これをこの前言ったら不機嫌になられたので、やめておいた。

「彩花は部活、今日も来る?」
「うん、手伝いに行くよ」
「ふーん、じゃぁ、俺頑張る」
「応援してるよ、一也」
「うわ、今のはマジやばい」
どっちのヤバイだ。まぁ、一也の反応からしていい意味でのやばいであろう。本当、こいつは外見と中身が一致しない。

「そーいえば、次の授業現国だ」
「監督だよ」
「えぇ、マジがよ。倉持に言っとこー」
「監督の授業の方が、良いと思うけど。皆喋らないし」
「まぁ、目が怖ぇしな」
頑張るけど、と言って一也は戻るか、と付け足した。そうだね、と時計をチラリと見ていう。
コソコソと教室から出て、私達はわかれた。


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