俺の恋人は、時たま、すっごく怖いことを言い始めるんだ。


いつもはニコニコ笑顔で、癒されるの何の。

だけど、甘やかしすぎてデレデレになったときが縁起でもない。


「名前、名前、儂名前が好きだ」


「俺も家康が好き。愛してる」


「あっ、儂も愛してるぞ!儂の前に言いやがって!」


さっきテレビで映画を見終わって、ソファの上で二人で寝転がっている。

上に家康、下に俺。なんとまあ美味しい体制なんだろうとつくづく思う


そういうとき、家康が可愛らしく俺の首に顔を埋めて照れくさそうにするんだが



「名前の首が食いたい」


ここからなんだ



「名前の目も、ほかの奴を見ない様に儂が頂戴したい」


首が急にそわそわしだして自然と瞼をこれでもかと力を入れて閉じる


「四肢も儂から離れないように叩き切って、それも食う」


皮膚の下に虫が沸いたかのようにじくじくする


「それで出た名前の血は儂が全部飲む」


やっぱ名前の血は儂自身に注射すればいいか?とたまに質問されるから困るもんだ。

家康は俺と血液型が違うから死んでしまうだろ、って本当はそこが問題じゃないんだけど答えないといけないような気がしてしまう。

そしてその答えが「儂は名前のためなら迷わず死ねるぞ?」だもんなぁ…

しかも当然だろ、というような顔をするから俺が何もいえない。


「名前の血なら何杯でも飲めるぞ」


「そ、そう…」


それでそれでと考え込む家康


「あとは、儂が名前に食われるだけだな!」


え?って問えば


「少しずつ儂を切って、名前に食わせるんだ」


俺をぐちゃぐちゃにするならまだしも、平然と自害宣言もするからこいつは本物だな、と少し感心してしまう。


「利き手と頭と心臓さえあれば生きていけるからそれ以外のものは全部名前にくれてやるぞ」


想像すると血が凍りつくの何の


「あ、でも名前が全部欲しいって言うならあげるがな!」


名前なら本望!とこれまた顔を赤くして照れながら俺を抱きしめる力が強まる

言ってることが違ったら今頃俺の息子さんはぴんぴんしてるだろうよ



「でもそんなことしたら名前がいなくなるからしない」


胆の冷え切った今になって、俺に頬ずりしながら言う


「儂はまだ全部揃ってる名前に触れてたい」


あー恥ずかしい!と首をぶんぶん振る。女子高生か。

それにまだって言ったから一応やるつもりではあるんだな…!


確実に俺死亡フラグとほほ、と泣きそうになるがそこでまた家康が頬にちゅーなんかするから機嫌が少し良くなり

彼が上半身だけ起き上がって馬乗りになる。

この展開で何気に期待し始める俺も末期なのだろうか。


家康が「な?」と頬を赤らめて笑い、強弱を付けて下半身を擦り付け始めると

俺の喉はこくりと鳴り、今夜は寝ない覚悟をする。


それでも大好きな俺も同類

(もしかして恐怖してるんじゃなくて興奮してるとか?)


―――――――――――――――――

グロデレ家康…好きだけど私上手に書けないや皆もっとグロデレ書いてもいいと思うんだ…

最近こういうのが多いからそろそろ明るいのでも書きたい

20111229


prevnext






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -