怪獣が止まった頃にはカモメがうるさく鳴く海岸に着いてた

二足歩行野郎が何匹か増え、俺を何かに乗せては怪獣から下ろす

なんだろう此処…陸にしては妙なところだ。二足歩行しか生息しないのか?


透明な洞窟っぽいところへ入れば、そうでもなさそうだ。

見覚えのある魚や生き物がたくさんいる。

ぼーっとしてるうちにまた小さな洞窟に入り、降ろされる



「はぁ……失敗じゃなけりゃいいんだが」


何かをつぶやいては俺に向きなおる

目をつぶり、前足を俺のほうへと伸ばすと不安がこみ上げる


なぜかというと体に違和感めちゃくちゃ感じるからだと思う。

何これ指?後ろ足超長くなったんですけど。え?俺まで二足歩行?


「…い…」


『!』



さっきまで認識できなかったこいつの言葉が急に脳に届くようになる


「聞こえるのか、お前」


『え?あ、あー…うん?』


「ならよし。今日からお前がふれあい場を仕切れ。」


『ふれあい場?仕切る?ごめん俺訳わかんない…』


溜息をこぼされた


「シャチ」


「はい」


『わっ…ってシャチが歩いてる!』


いきなり後ろから声がしたと思えばシャチが変な格好してた


「こいつに此処の常識を刻め。これからここのふれあい場担当だ」


「わかりました」


なんでシャチみたいな食物連鎖の上位がこんな極細哺乳類に敬語使ってるんだろう、と気になったが理由があるんだろうと自分も気をつけることにする



「おい、ウミガメ」


『はい?(アオウミガメなんですけども)』



振り返ると、言葉にならない殺気に満ちた笑顔で彼は言う













「丑三ッ時水族館へようこそ」









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