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ぱちん、ぱちん、ぱちん、
｢どうだ、学校は慣れたか？｣
｢うーん…勉強はちゃんとしたらついていけそう。｣
｢…他は？｣
｢うーん…やっぱり、こう、親衛隊持ちへの騒ぎよう？っていうのはちょっと…慣れない。同性うんぬんじゃなくてこう…うーん……。｣
｢同性同士ってことじゃなくて、やたら騒ぎ立てることに慣れない、ってことか？｣
｢うん…うん、そうかも。｣
ぱちん、ぱちん、
｢…過激な奴らもいるからな。きっと本城も風紀じゃなかったら親衛隊あっただろうし。｣
｢え、そうなの。｣
｢あいつ意外と成績いいし、イケメンだろ？親衛隊を作るには一応本人に許可がいるんだけどな、あいつが許可を出すかはわからないけどきっと作ろうとするやつはいるだろう。｣
｢ふーん…なんで実際にはいないの？｣
｢風紀委員には親衛隊は作れないからな。｣
｢なるほど…。｣
とんとん、ぱちん、
｢お前本城と篠塚以外に話せるやつ出来たのか？｣
｢出来てない、俺全然友達出来てない。｣
｢……まあ、焦ることないからな。｣
｢でも！燈夜とは親友になれるかもしれない。｣
｢お、良いな。篠塚は？｣
｢篠塚くんは……なんかちょっと、たまにスケベなとこがちらちら見える。｣
｢…危ないと思ったらすぐ逃げろよ。｣
｢うん、そうする。｣
ぱちん、とんとん、ぱちん、ぱちん、
｢親衛隊持ちと関わってないよな？｣
｢うん、たぶん。あ、うーん…。｣
｢なんだ。｣
｢燈夜といるときに風紀の委員長さんと副委員長に会った。｣
｢……なんか言われたか？｣
｢風紀委員会に入らないかーって副委員長に。｣
｢もちろん断ったんだよな？｣
｢あたりまえじゃん、燈夜が喧嘩とか強くないとって言ってたから。俺弱いし無理、頭も回らないから。｣
｢たしかに他の委員会と比べると大変な仕事が多いな、生徒会とツートップだから。｣
｢風紀委員会ってすごい。｣
｢だな。｣
ぱちん、ぱちん、
｢ホッチキスの芯なくなった。｣
｢あー…ほら、これ使え。｣
｢あーい。｣
ぱちん、
｢あ、仲良くなった先輩いる。｣
｢へー、どんなやつ？｣
｢えーっと…猫好きで、背が高くて、裏庭で会った。あー…たしか……うーん…あ。｣
｢ん？｣
｢鞠井…京佑先輩。｣
｢…お前それ…生徒会書記じゃねえか。｣
｢え、そうなの？あー…そういえば燈夜ともこんな話した気がする…。｣
｢忘れてたのかよ…れっきとした親衛隊持ちだぞ。……危ないことされてないよな？｣
｢うんなにも。でも、せっかく仲良くなれたのに…。｣
｢そうだなあ…鞠井のとこはそんなに過激派じゃないし、人がいないとこで会うなら大丈夫…かもな。｣
｢先生知ってるの？｣
｢俺生徒会顧問。｣
｢え、すごい。｣
｢だろ。……とりあえず、親衛隊持ちに関わらない方がいいのは確かだが、お前の仲良くなった数少ないやつだからな。会うな、とは言いにくいから…気をつけろよ、絶対に他のやつに見つかるな。｣
｢うん、絶対見つからない。そういえば燈夜とも次行くときは声かけろって約束した、一応。…こないだはたまたま会っただけでもう会わないかもしれないけど。｣
｢それでもだ、念には念を入れろ。人目のないとこで会ってるのが見られたら面倒だろ。｣
｢うん、すごいめんどくさい。｣
｢だろ、俺だってかわいいかわいい俺の生徒がぼこぼこにでもされたら堪らないからな。｣
｢先生やさしいもんね。｣
｢……まあな。｣
ぱちん、ぱちん。
｢おわった！｣
｢ん、おつかれ。コーヒーいれなおすか？｣
ブー、ブー、
｢うーん、ちょっとまって。｣
｢もしもしー、燈夜？なに？｣
『なにじゃねえよ、真っ直ぐ帰れって言っただろ！いまどこいんだよ！』
｢いま、澤村先生のとこに……。｣
『迎えに行くから待ってろ！』
ぴ。
｢聞こえてた、すぐ来そうだし、コーヒーはまたにするか。｣
｢うん…ごめん。｣
｢謝ることないからな、今度は紅茶飲みにこい。｣
｢うん、俺がいれるんだけどね。｣
｢あぁ、楽しみにしてる。｣
｢でも本城の言ってた通り、どっか行くときはちゃんと言うようにしろよ。…あいつに言いにくいことがあったら俺でもいいから。｣
｢うん…そうする。｣
ガラッ
｢桐！｣
｢あ、燈夜…。｣
｢お前…真っ直ぐ帰れって言っただろ。部屋に帰ったらいないから……。｣
｢うん、心配かけた？ごめん。帰ろ。｣
｢…いくぞ。｣
｢先生ばいばい、おつかれさま。｣
｢おーおつかれ。またな。｣
｢うん、またね。｣
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